- 2025/11/20
- writer: Moto
「世界に1枚しか存在しないという価値」
おはようございます。
Natural LoungeのMotoです。
10月から長くお届けしてきたカシミール織物のお話。
いかがだったでしょうか?
始まりはカシミール織物とはどんなものなのか。
アーリ手刺繍、ニードル刺繍、カラムカーリ、そしてカニ織りまで、順にご紹介してきました。

「立体感と躍動感 ― カシミール・アーリ刺繍の魅力」

「唯一無二、世界に誇るカシミールのニードル刺繍」

「重なる深み、カシミールの静かな手仕事・カラムカーリ」

「世界最高峰の織物ーカニ織(Kani)」
後半では、Natural Loungeから最近送り出したストールを実際にご覧いただきながら、
「ああ、これがカラムカーリか」
「これがカニ織りか」
と、少しでも手仕事の素晴らしさを感じていただけていたら嬉しく思います。
僕らのストールがインド製だとお伝えすると、よくこんな質問をいただきます。
「なんでインドなの?」
確かにそう感じますよね。
でも実際に現地へ足を運んだからこそ、僕ら自身もインド織物の奥深さ、そしてその歴史を知ることができました。
例えば、材料となるパシュミナ原毛は信じられないような環境で大切に時間をかけて育てられています。

そして今の時代になってもなお、インドには手織りや刺繍などの手仕事の文化が国中に息づいています。
それは特別な工場でつくられるものではなく、職人の自宅にある小さな工房から生まれるものも少なくありません。
インドの街を歩けば、布問屋が軒を連ね、町中には仕立て屋さんの姿。
布がどれほど生活に根付いているか、肌で感じるほどです。
そして、そんなインドで作られる織物は、職人たちの日常の中から静かに生まれています。
幼い頃から布に囲まれ、家族や地域の中で自然と受け継いできた知識や技術。

それは学校で習うものではなく、長い歴史の中で生き方そのものとして根付いていると感じます。
だからこそ、あれほど素晴らしい逸品が生まれるんですよね。
ただ、それは彼らにとって特別なことではありません。
僕らが想像する“伝統工芸”のようにものではなく、生活の延長線上に当たり前に存在するのがインドの手仕事。
そんな中からこんなにも美しいストールが生まれるのだと、現地に行って初めてわかりました。
完成したストールは一枚一枚がまったく違う表情を持っています
模様や職人のセンスによる生地と刺繍糸のバランス、織や刺繍の力加減もそうです。
その日、その時、その職人の感覚で作られるものだから、同じものは二度と生まれません。
機械で同一のものを大量に生み出せるこの時代に、こうした“世界に1枚だけ”という存在がまだ残っていること。
それ自体が本当に貴重なことだし、何百年も前から世界中の人々から高く評価されている証でもあります。
何よりそんな価値のある1枚を世界で自分だけしか持っていないって・・・
改めて考えると、本当にすごいことですよね。
僕らも、まだカシミールにこれだけの手仕事の技術が残っているうちに、こうして携わることができて本当に幸せだなと思います。
職人の高齢化や、インドも経済発展とともに後継者不足は否めません。
ただ、すこしでも素晴らしい手仕事を1枚でも多くあなたを始め多くの方に知っていただければと思います。
一期一会なので、僕ら自身次にどんなストールとの出合いが待っているのかわかりませんが、それもまた魅力。
これからも素晴らしいカシミール織物を探していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。
コメント
Profile
Moto
1983年長野県生まれ。木曽在住。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
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