- 2018/07/12
- writer: Moto
カシミールの手仕事 番外編
インド・デリーより
おはようございます。
Natural LoungeのMotoです。
今朝のメルマガも引き続き、インド・デリーよりお届けします。
前回のメルマガまで、カシミアのストールが出来上がる工程をあなたにお伝えしました。
一つのストールが織られるのにどのくらいの技が関わっているのか
あなたにも知って頂けていれば嬉しいです。
そして、今日あなたにはカシミールに伝わる
他の伝統技術もご紹介したいと思います。
それが 「 カニ織 」 です。
カニと言ってもあのカニじゃないですからね。笑
カニ織はカシミールに伝わるもっとも難しいと言われている織り方の手法です。
なかなか生産者の仕事を見ることはできませんが
今回は最高品質のカニ織を作る生産者を訪問することができたので
あなたにもご紹介したいと思います。
それでは早速見ていきましょう。
実際に織られている最中のショールです。
カシミールの伝統的なペイズリー柄をあしらったデザインがパッと目を引きます。
色使いが良いですよね。
このショールがどのように織られているかというと
下の写真を見てください。
わかりますか??
横糸がプレーンのストールを織る時と違って、シャトルがセットされているわけではなく、
そのデザインを作る糸を巻いたスティックが並んでいます。
プレーンの時はこのようにシャトルを端から端まで飛ばすだけです。
飛ばすだけと簡単に言ってしまいましたが、普通はこれでも十分難しいんです。
一方でカニ織りは、横糸がシャトルにセットされていまん。
デザインの色に合わせて、スティーックを一本一本通していきます。
シャトルを一気に飛ばしてヨコ糸を通すのとはわけが違い、
端から端まで(それぞれデザインに合わせてセットされたスティック)
ヨコ糸を通すタテ糸の本数を計算しながら通していきます。
デザインが多ければ多いほど、スティックの数は多く
それだけ手間と時間がかかります。
このカニ織はあまりに時間がかかるため、2人で作業することも珍しくありません。
わかりますか? 笑
僕も実際にやらせてもらいましたが、
タテ糸の本数を数えて、その狙った本数分スティックを通す技術。
かなり難しく、そう簡単にはできません。
カニ織は非常に生産に時間がかかるため、
数ヶ月は当たり前で、ものによっては1年以上かかるものもあるそうです。
実際、今回訪問した工房は予約が3年待ちという現実。笑
欲しくても手に入らないんです。
この一本のスティックから生み出されるショールは本当に貴重です。
カニ織はいかがでしたか? また一つ、あなたのカシミール手仕事の知識が増えくれていれば嬉しいです。
そして一つ一つ正確に、丁寧織られるカニ織りもまた、
刺繍同様生産者が減ってきてしまっています。
今回訪れた工房は多くの若い人がいて、
非常に活気がありましたし、
こうした若い生産者がどんどん増えていってくれたら嬉しいですね。♪
若いので、みんなキメ顔の1枚です。笑
それでは今日も1日良いストールを見つけるために行ってきます! 頑張りましょう!
おはようございます。
Natural LoungeのMotoです。
今朝のメルマガも引き続き、インド・デリーよりお届けします。
前回のメルマガまで、カシミアのストールが出来上がる工程をあなたにお伝えしました。
一つのストールが織られるのにどのくらいの技が関わっているのか
あなたにも知って頂けていれば嬉しいです。
そして、今日あなたにはカシミールに伝わる
他の伝統技術もご紹介したいと思います。
それが 「 カニ織 」 です。
カニと言ってもあのカニじゃないですからね。笑
カニ織はカシミールに伝わるもっとも難しいと言われている織り方の手法です。
なかなか生産者の仕事を見ることはできませんが
今回は最高品質のカニ織を作る生産者を訪問することができたので
あなたにもご紹介したいと思います。
それでは早速見ていきましょう。
実際に織られている最中のショールです。
カシミールの伝統的なペイズリー柄をあしらったデザインがパッと目を引きます。
色使いが良いですよね。
このショールがどのように織られているかというと
下の写真を見てください。
わかりますか??
横糸がプレーンのストールを織る時と違って、シャトルがセットされているわけではなく、
そのデザインを作る糸を巻いたスティックが並んでいます。
プレーンの時はこのようにシャトルを端から端まで飛ばすだけです。
飛ばすだけと簡単に言ってしまいましたが、普通はこれでも十分難しいんです。
一方でカニ織りは、横糸がシャトルにセットされていまん。
デザインの色に合わせて、スティーックを一本一本通していきます。
シャトルを一気に飛ばしてヨコ糸を通すのとはわけが違い、
端から端まで(それぞれデザインに合わせてセットされたスティック)
ヨコ糸を通すタテ糸の本数を計算しながら通していきます。
デザインが多ければ多いほど、スティックの数は多く
それだけ手間と時間がかかります。
このカニ織はあまりに時間がかかるため、2人で作業することも珍しくありません。
わかりますか? 笑
僕も実際にやらせてもらいましたが、
タテ糸の本数を数えて、その狙った本数分スティックを通す技術。
かなり難しく、そう簡単にはできません。
カニ織は非常に生産に時間がかかるため、
数ヶ月は当たり前で、ものによっては1年以上かかるものもあるそうです。
実際、今回訪問した工房は予約が3年待ちという現実。笑
欲しくても手に入らないんです。
この一本のスティックから生み出されるショールは本当に貴重です。
カニ織はいかがでしたか? また一つ、あなたのカシミール手仕事の知識が増えくれていれば嬉しいです。
そして一つ一つ正確に、丁寧織られるカニ織りもまた、
刺繍同様生産者が減ってきてしまっています。
今回訪れた工房は多くの若い人がいて、
非常に活気がありましたし、
こうした若い生産者がどんどん増えていってくれたら嬉しいですね。♪
若いので、みんなキメ顔の1枚です。笑
それでは今日も1日良いストールを見つけるために行ってきます! 頑張りましょう!
コメント
「カシミールの手仕事 番外編」への6件のフィードバック
コメントを残す コメントをキャンセル
Profile
Moto
1983年長野県生まれ。木曽在住。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
ナチュラルライフの最新記事一覧
- 2024.11.10 writer:山崎拓
- 13年目を迎えました♪
- 2024.11.07 writer:山崎拓
- お手軽に可愛らしく♪ギフトにもおすすめの新商品入荷です!
- 2024.10.26 writer:山崎拓
- 予定外でしたが、個人的に一番の思い出になりました♪
2024年 (327)
2023年 (365)
2022年 (365)
2021年 (365)
2020年 (366)
2019年 (364)
2018年 (362)
2017年 (356)
2016年 (353)
2015年 (374)
10年以上前の記事
メールマガジンに登録するとストールコーディネート、ファッション情報、NaturalLoungeの最新ストール情報をいち早く手に入れることができます!
素晴らしい!!! あの細かいペーズリーが一つ一つ小さな糸巻きで手仕事で作られるのですね。初めて、前回のおびただしい数の糸巻きの意味がわかりました。平面的な織なのにあの美しい柄で立体的に見えるのですね。写真のものもうっとりするほど美しいですね。
カシミアのようにふわっと軽くないし、固く、重みもあるので、実用には少し難しいし、暖かさは劣りますが、柄を見る限り素晴らしく美しいですね。絨毯と作り方は違っても時間のかかる点とか何か人間のあくなき努力に感心します。身近なレポートで、かなりわかってきました。ありがとうございます。no
noさん
コメントありがとうございます!
そうなんです。全てのデザインをあの小さな糸巻きを巧みに使いながら完成させていくんですよね。
実際の仕事を見ていると、その正確さ、動作、全てが素晴らしいです。
そしてこの糸ですが、実はカシミアなんです。
カシミールでは素材がよければ良いほど、時間をかけて作りこんでいきます。
例えば、例外も多少ありますが、高い技術と時間のかかるニードル刺繍はカシミアがメイン。
アーリ刺繍はニードルに比べると生産者も多く、メインの素材もウールになります。
このカニ織りはここカシミールでも非常に難易度の高い織りなので、素材はカシミアのみなります。
糸も細く切れやすいので、それがまたこの仕事の難しいとこです。
代々何百年も前から受け継がれ、未だにそのままなんですよね。ぜひずっと残り続けて欲しいです。
いつもありがとうございます。
Moto
WOW! カニ織りはカシミアなのですか 以前あまりに綺麗なので買ったものはヒンヤリとして暖かくないものでしたので、ポリエステルではないかと疑いました。裏の糸の始末から見ると、以前山崎さんがblogに書かれた見分け方からすると手織り?なのですが、硬いし、纏にくいものでした。ま。簡単に手の届く値段でしたから、カシミアではあのませんね。あの写真にあったものは、カシミアを使っているなら非常に高価なものでしょうね。実物を見てみたいものです。
ところでTYのNational Geographicで、ヒマラヤをやっていたので、見ていましたらラダック地方のパシュミナ生産者の人々が出ました。チャンパ族の62歳の主人と18歳の末っ子の人が出ました。Motoさんの写真と風景も、石組みもそっくりでしたので、もしかしたらと楽しく見ました。もう一つ、そこの家畜を襲うのが雪豹だったのも、ちょっと残念。雪豹の保存fundに寄付したこともあるので、ちょっと興味を惹かれました。
日本も連日暑いです。40度に迫るところもあります。残りの日々体調気をつけて、お過ごしくださいね no
NOさん
そうなんです!インドで買付をしていても、色々な素材の同じような織りのものがたくさんあります。
僕たちも、まだカニ織りを販売した経験はなく、今現地を訪問しながら勉強中です。
色々わかってきた中で、生産者が言っていた
良い素材に手仕事で手間はかけるのは当たり前。というのはしっくり来た言葉でした。
しかしNOさんはカニ織りをよく知っていますね!
なかなか日本でも取り扱っているお店はないと思いますが、おっしゃるように綺麗なデザイン、
色使いのものは本当に素晴らしいので、僕たちもいつかご紹介できるように知識をつけていきたいと思います。
豹のことは僕が訪れた生産者も話してくれましたが、
大自然の中で共存していく以上は仕方ないとも話していました。
ただ、襲われた時の話しをしている時は怒ってましたが・・・。笑
それだけ大自然の中でしか育てることができないラダックさんのカシミアはやはり貴重ということでもあります。
生産者が高齢になって来ている問題もあるので今のカシミアがいつまで採れるかわかりませんが
少しでも多くの方にカシミアがどんなものか知っていただければと思います。
いつもありがとうございます!
Moto
National Geographic のパシュミナ生産者はスタンジントモという61歳の方で、18歳の末の男の子はパクスタンという名前でした。遭われたことはあのますか?{ 広いところですが…..} もう一度Motoさんのラダック訪問のblogを見て、そちらの生産者はかなり大規模な設備を持っていらっしゃるようで、TVの方の生産者は古い石囲いのそばにテントを張っていましたから、別の方ですね。夜は寒い中火を炊いて囲いのそばで一人寝ていました。人影が見えると獣は襲わないということでしたが、朝になると羊を一頭取られていました。獲物を引きずった跡が残っているので、若者がずっと後を辿って行き、羊の死骸を見つけましたが、獲物が放置されていることは、まだ近くに獣がいるということで、若者は一目散に戻り、カメラは雪豹がこちらを見て、去っていくのを捉えました。
雪豹は人間は襲わないそうで、以前のMacintosh のバソコンのどのversionだったかに使われていて、今も画面のselectionの中に一枚ありますが、正面からカメラを見る目線に照れのようなはにかみのような他の猛獣に見られない慎ましやかな表情があって、心惹かれるのですが、土地の人々との共存のこととなると、難しいですね。毎日歩き回って食料を調達しなければならない野生動物にとっては、チャンス!!だろうし、人間の営みにとっては害なのですから。標高5000から3500mを行き来して厳しい気候の中で牧畜をしている生産者の生活にも頭が下がります。
カシミアとか毛皮とか宝石とか、生産者の世界と高級ブランドとして扱われている社会とものすごいギャッブがありますね。no
noさん
その生産者の方にはお会いしたことがないです。
僕たちはこれまで標高4000mに住んでいる、1年中移動はせず、
そこに暮らしながらカシミアヤギを飼っている生産者を訪ねてきました。
ただ、暖かい時期は移動しながらテントで、そして冬になると一箇所に集まってきて過ごす生産者もいるので
いつかは訪れて、どのように暮らしているのか、ヤギを育てているのかみたいとは常々思っています。
本当に僕たちにとっては過酷な環境で、50m歩くだけでも息が上がる場所で、
毎日朝から日没まで草を求めてヤギと移動する彼らの凄さは言葉では表せません。
そして、豹も人間が飼うヤギは格好の獲物だと思います。
あれだけ草木もほとんど生えない環境で、反対にどのように生きているのだろうと思うくらいです。
noさんのおっしゃるように共存は難しいと思いますが、インドの人たちは本当に動物を大切にするし
ヤギを食用にするときも、無駄なく全て大切にして、
生きるってこういうことなんだなと学ぶことばかりです。
ちょっと話がそれましたが、確かにギャップありますよね。なので、僕たちは実際にどんな人が、
どんな環境でそのストールが作られているのか、自分たちにできることを発信し続けて行こうと思います。
文章が散漫になってしまいすみません。
いつもメルマガに目を通していただき、本当にありがとうございます。
Moto