『超強力なモチベーション』

2015/03/25
writer：山崎拓
- ナチュラルライフ

先日、
近くのスーパーに行きました。

一人のおばちゃん店員さんが大きな声で
「チョコクッキーの無料試食サービスやってますー！！」
と連呼していました。

その時は、ちょっと眠気があったので
コーヒーを一つ買うつもりでお店に入ったのですが
「チョコ」にも「無料」にも目がない僕はつい
おばちゃんの大きな声に引き寄せられるように試食コーナーへ　笑

「美味しいので一つ食べてみてください！」

近くなのに声がでかいおばちゃんに
すすめられるがままにチョコクッキーに手を伸ばし食べてみると・・・

甘くて美味い！

僕「もう一個いいですか？」

おばちゃん「いいですよー！！」

美味い美味い、と思いながら２、３個試食しました。

食べ終えた後、
何か目に見えない力が働き出しました。

このままチョコクッキーを買わないとおばちゃん悪いんじゃないか・・・と。

別におばちゃんは僕に買え買えとプレッシャーをかけるわけでもなく
買ってくださいとお願いしてくるわけでもありません。
ただ、笑顔でニコニコと僕の方を見ているだけです。

その笑顔が余計に僕の心を揺さぶります。

あなたもきっと同じような経験をしたことがあるはずです。

デパートやスーパー、百貨店などでは
試食コーナーで当たり前のように試食ができます。

あなたもタダで試食をさせてもらった後
何も買わずにそこを立ち去るのは少なからず抵抗を覚えるはずです。

そしてそれは実際にその商品を買う強力なモチベーションになります。

試食コーナーで無料で商品を提供しているのは
ただサービスとしてやっているわけではありません。

もちろん、味を実感してもらってから買ってもらうことを
目的としてやっているのですが、
それ以上に購入に踏み切る決め手になるほどの隠れた心理が働いています。

もらったら返さなきゃいけない

それは人間行動心理でいうところの「返報性の原理」と呼ばれるものです。
何かを与えられたらそれを返さなきゃいけない、と感じる心理です。

これは日常のあらゆる場面で感じることができます。

例えば、
何かのお祝い事で贈り物をもらったとき、
無償で親切な対応をしてもらったとき、
無料でサービスや商品を受け取ったとき、
などがあります。

特に日本人は義理人情に厚い人種ですし、
小さな頃から、やってもらったらお返ししなければいけないと、
教えられて育っているので潜在的に強く働く心理です。

気にしなければ当たり前と思う感覚ですが
俯瞰してみると非常に強力な力を持ったものでもあります。

よく自己啓発系の話で
与えるものは与えられる、
というようなフレーズが出てきますが
これが意味する背景にはまさに「返報性の原理」が働いているのです。

親切をしてもらったらお返しする、
ということはとても自然な感情ですし
大切にしなければならない日本人らしい心です。

ですが、
その強力な心理を利用して
悪用することもできてしまうのも事実としてあります。

この当たり前になっている感情にフィルターを通し、
当たり前を外した目で世の中を見てみると、
また違った視点で物事を捉えることができるようになると思います。

PS.
甘くて美味いチョコクッキーとおばちゃんの優しい笑顔の誘惑に負けて
チョコクッキーを一袋買ったと思いきや・・・

今回は大企業の罠だと自分に言い聞かせてスルーしました　笑

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Profile

山崎拓

1982年長野県生まれ。安曇野市在住。
Natural Lounge代表、ストールコンシェルジュ。
３児の父。
天然繊維100%ストールが大好きでほぼ一年中巻いている。
趣味が仕事で、休みより仕事をしているほうが楽しく落ち着くという仕事大好き人間。
情熱がある分野はビジネスや健康、教育関連。
好きなことは読書、Mr.Childrenの音楽鑑賞、家族サービス、旅行。
肌に直接身につけるものはもちろん、食べ物や生活スタイル全般を出来るだけ健康的で自然に沿ったものにできるよう日々自分自身でも様々なことを試し、顧客にもその効用を伝えている。