- 2026/03/29
- writer: 山崎拓
すべてが規格外のカラム・カーリショール。ついに公開です。
1月13日。
夜の20:40にインドにいるMotoから緊急連絡ありました。
それは一枚のショールについての仕入れ相談。
「色や質感は申し分なく、今後まず手に入らないであろう色柄
ショールサイズであれば、間違いなく即決している逸品だけど・・・」
実はこうしたことは結構珍しいこと。
というのもMotoはバイヤーとしてもう12年以上も現地で活動しているので、現地仕入れに関しては基本Motoを全面的に信頼しています。
なので、僕があれこれ言うことはほとんどありません。
Motoの目利きや審美眼は僕よりも間違いなくあると思っているので、起業当時から商品の仕入れに関してはMotoに任せていますし、逆に僕はそれ以外のことを全力で集中できるのでこれが事業にとってとても良いバランスなんですよね。
というのも僕はもともとストールが大好きで起業しているので、ストールの選択については客観性に欠けてしまう部分があります 汗
おそらく僕がバイヤーだったら、いいストールがあるときっとどんどん一目惚れしてどんどん仕入れてしまって、マニアックな商品ばかりになり、お客さんの好みとは全然違って売れなくて在庫が積み上がる・・・
みたいな感じになる可能性も高いと思います 汗
こんな感じなので、今では買い付けのたびにMotoが日本に帰ってきてから、お客さんよりちょっと前に実際に仕入れたストール見て、「うわーめちゃくちゃいいじゃん!」となっていることが常 笑
でも今回のように事前にMotoから連絡があってから僕の方でも該当の商品を確認し、仕入れをすることもあります。
こうしたストールは決して多くありませんが、今回はまさにこうした仕入れの判断が難しいものだったんです。
具体的には以前にMotoがブログでも詳しく話していた通り。
素材やデザイン、手仕事のクオリティー、全体のバランス、色合いなどは完璧。
もう2度と出会えないほど希少な一枚。
でも、このショールはサイズが幅135×260cm。
一般的なショールより、ひと回り大きなタイプだったんです。
この後写真もご覧いただきますが、このサイズは本当にかなり大きくて、ストールやショールに慣れていない方だとおそらく使いこなすのは難しい・・・
そうなると商品としては扱うべきではないのではないか?
という考えが浮かぶのも自然なこと。
でも、僕はMotoから連絡が来た瞬間から仕入れないという選択肢は一切ありませんでした 笑
というのも、メールの文言と共に写真も数枚添付されていたのですが、これを見ただけでまさに一目惚れで「絶対に扱いたい!」と。
Motoではありませんが、イチストール屋としてこのショールを見逃したら絶対にこの後ずっと後悔すると直感的に感じました。
僕はお客さんからの問い合わせなどでも比較的メールを返すのが早い方だと思いますが、この時はもう即座に「仕入れよう!」と返信をしていました 笑
あの時の興奮は今でも良く覚えていますが、実際にこのショールを目の当たりにした時はさらにこのショールの凄さに圧倒されました。
これはやばい・・・
表現が稚拙で本当に申し訳ありませんが、実際にスゴすぎるものを見た時には人間こういう言葉が出てしまうんですよね 笑
そしてやっとこの「全てが規格外のやばいショール」をあなたにご紹介できる日が来ました。
きっと今日のブログを最後までご覧いただければ、僕らが感じた感覚があなたにも伝わると思います。
まずはこのサイズ感を感じていただける全体像から。

135×260cmならではの圧倒的な存在感。
そして、もちろん、この生地は全てインドカシミール地方のラダック・レーに連なるヒマラヤ山脈標高4000m以上の高知のみに生息するカシミヤ山羊の毛を使っています。



カシミヤ山羊についてもこのブログでは折に触れてお話をしていますが、実際にカシミヤ山羊が生息しているヒマラヤ山脈の奥地に行くには標高5360mの箇所を超えていかなければなりません。

僕らも実際に高山病になりながら現地を訪れていますが、この環境はものすごく過酷。



でもだからこそ、こうした環境で生き抜いているカシミヤ山羊はやわらかく暖かい毛を生み出すことができます。

これらの希少な原毛をこれだけふんだんに使用したストールやショールを僕らも今まで見たことはありません。



さらにこの大きな生地は全て手織りにて複雑な柄を表現しながら何十時間もかけて織り込まれています。
そして、このショールはカラム・カーリという非常に高度な技法で製作をされたもの。

カラム・カリとは文字通り「ペン(kalam)による作業(kari)」を意味していて、自然由来の染料を使用し、手描きや手刺繍によって布地に模様を作り出す非常に高度な技法になります。


今までのストールやショールとの大きな違いは特殊なペン(カラム)と呼ばれる筆を使って、布地に手描きで模様を描いている部分。


厳選された希少なカシミヤ生地に筆で色を重ねています。
もちろん、染料は全て植物由来100%


さらにこの生地の仕上げは卓越したマスタリーによるシルク100%糸での手刺繍。





糸の段階から織り、そして、班を作り込み、下地を作ってからのカラムでの手描き、鉤針での手刺繍と全て一貫した手仕事で信じられないくらい長い時間をかけて生み出されています。





こうした複雑な工程を経てこれだけ大きなショールが出来上がります。


繰り返しになってしまいますが、この色出し、刺繍についても全て手描き、手刺繍で仕上げられています。


ベースカラーとのコントラストも美しく、色合いのバランスも絶妙です。



背面からの姿も圧倒的な存在感。







こちらはあえて裏面を見せた全体像。

裏面も非常に丁寧に仕上げられています。

サイズが大きいので、上半身をすっぽりと覆うことができます。




ただ、高身長の方(180cm)であればどんな纏い方をしても扱えますが、そうでない方の場合は纏い方によってはショールが地面についてしまう可能性があります。
それだけ大きなサイズなので、使い方にはちょっとコツが必要。
この部分はまた後で詳しく説明をさせていただきますが、逆にこれだけの大きさのショールは日本で見ることはほぼありません。



そして、これだけ大きいショールなのでスタンダードな大判サイズはもちろん、スタンダードなショールサイズに比べてもさまざまな使い方ができるのがこのショールならではの大きな魅力。
まず、現実的に使いやすいのはショールの長手方向で一回だけご自身が使いやすい長さに折り畳んで使っていただく方法。
ここでの長さ調整はかなりの調整幅を持たせることができるので、ストールのミドルサイズから大きなショールサイズまでさまざまなイメージで纏うことができるようになります。
こちらはかなり長めに折り畳んで羽織った姿。

背の高い方や上半身をすっぽりと覆いたいときにはこのくらいの織り幅で使っていただくと、ものすごく雰囲気があります。



本当に美しいディティールで、繰り返し繰り返し撮影をしてしまいます・・・


また、このカラムカーリの職人さんのセンスが光るポイントとして、製作者のサインが通常のストールやショールとは違う場所に配置されているのもこのショールならでは。
(少し小さいので見つけるのが難しいかもしれませんが、デザインにほぼ同化しているので全く違和感がありません)

肩に羽織ったシルエットもものすごく綺麗です。


前面でひと結びするシンプルな羽織では大判ストールと同じ感覚で使えます。


こちらは長手方向にちょうど半分に折りたたみ、先ほどとは出す面を変えた時の印象。

こうして出す面を変えるとまた印象が大きく変えられるのもこのサイズの大きなショールならでは。

同じ纏い方をしても印象が大きく変わります。

(動画でもサイズを変えて色々な纏い方をしています)
また、長さを活かして肩から掛けるだけでも際立つ装いを叶えます。




Iラインを強調したひと結び巻き。

ネクタイ巻き。

このように現実的により多様に使えることはもちろん、このショールはもはや家宝のように持っていただくだけでも良いと思ってしまうような作品。



どんなディスプレイをしても芸術品のような佇まいを見せてくれます。



そして、こちらは撮影日を変えてもう一度屋外で撮影をしました。

光の当たり方によっても表情が変わりますし、自然光の元ではより一層美しさが際立ちます。



先ほどと同じように長手方向に半分に折り畳んで纏った姿。
柄の出方も控えめでシルエットもスッキリまとまります。
こちらは逆側を前面に出した場合。
その日の気分でどちらを出すか、使い分けていただくことができます。

風に靡く姿も本当に美しいです。



個人的には色々な使い方で全部試していただきたいですが、ここぞ!というときにはぜひ全体像も見せてほしいところ。
これほどの圧倒的な存在感と美しさを同時に叶えてくれる一枚は他にはありません。







そして、繰り返しになりますが、折り畳み方でいくらでもサイズ調整ができるところがこのショールの大きな特徴。

このモデルさんの身長は155cmですが、このようにスタンダードな大判ストールと同じように装えます。


上品にもエレガントにも気分やシーンや雰囲気に合わせて印象を変えることもできます。


改めてこれだけの作品を生み出した大自然の恵みと携わった多くの職人さんに敬意を払わざるを得ません。






糸を操り、筆を走らせ、針を刺す。


三つの匠が響き合う超絶技巧の三重奏。



師から弟子へ、500年間紡がれてきた魂。





その重みを、あなたの肩に。



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