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『カシミール伝統の刺繍を受け継ぐ職人たちVol:2』

インド・カシミールから

おはようございます。
Natural LoungeのMotoです。



今日も引き続きカシミール訪問の様子をお届けしたいと思います。
前回の刺繍職人のブログは読んでいただけましたか?






ここカシミールで生まれる、世界最高峰のパシュミナ手織り・手刺繍ストール。
織り手や刺繍職人をはじめ、数多くの職人たちがそれぞれの技術を受け継ぎ、一枚一枚を丁寧に仕上げていきます。



そうして完成するストールは、まさに唯一無二の存在。



世界を見渡しても、これほどの技術と手間、そして美しさが一枚に凝縮されたストールはありません。



そんな特別な一枚を生み出しているのが、今まさに僕が訪れているカシミールの刺繍職人たちです。



そして訪問2日目。
今日はさらに刺繍歴の長い職人を訪ねるため、昨日よりもさらに郊外にある村へ向かいました。







昨日お会いした職人さんも、刺繍歴は約15年。
それだけでも十分に熟練の職人ですが、カシミールにはさらに長い年月、この仕事一筋で歩んできた職人たちがいます。



今回訪ねる職人さんは、なんと40年以上にわたって刺繍を続けてきたベテラン。
長い歳月の中で磨き上げられた技術に触れられることを思うと、自然と期待が高まります。



全く知らない道を、車はどんどん進んでいきます。
初日は、カシミールならではの街並みや景色に目を奪われるばかりでしたが、2日目になると少しずつこの土地の空気にも慣れてきました。






周囲を見渡す余裕も生まれ、行き交う人々の暮らしや町の何気ない風景が、少しずつ目に入るようになってきます。



街を抜けると、車窓にはのどかな田園風景が広がってきました。
このあたりでは、農業を営みながら刺繍職人として働く人も少なくありません。



農作業の合間に針を持ち、家族を支えるために刺繍を続ける。そんな暮らしが、この地では昔から当たり前のように受け継がれてきました。



彼らにとってカシミール刺繍は、単なる伝統工芸ではありません。暮らしを支え、家族を守るために受け継がれてきた大切な生業なのです。







そして今日もようやく刺繍職人たちが暮らす村へ到着しました。
細い道を通り、木造の建物の中へと案内されます。



工房の入口でまず目に入ったのが、この大きな水タバコ「フッカ」。






日本ではなかなか見かけることのない道具ですが、カシミールでは昔から人々の暮らしに溶け込んできたものです。
こうした何気ない調度品一つにも、この土地ならではの歴史や文化が感じられます。



そして工房の中へお邪魔します。
すると早速刺繍を施す職人の姿が。







なんと5名もの職人さんが、僕の訪問を待っていてくれました。
一目見ただけで伝わってくる、長年この仕事に向き合ってきた職人ならではの風格。







穏やかな表情の中にも、積み重ねてきた経験と自信がにじみ出ています。
今日は今まで出会ったことのないレベルの職人さんに出会える。
その期待が、この瞬間に確信へと変わりました。







少し離れた場所から眺めているだけでも、その技術の高さは一目瞭然でした。
針を動かす姿に無駄はなく、描かれていく模様は驚くほど緻密で繊細。



しかも、これだけの熟練職人が一堂に会し、その技を目の当たりにできる機会はそうありません。
一針一針に込められた経験の重みを感じながら、その光景を前にした僕の頭に浮かんだのは、「感無量」という言葉でした。







静かな工房で、布に針が通るかすかな音だけが響いています。
うまく言葉にできませんが、あえて表現するなら、



息をするのもためらってしまうような空気。



それほどまでに、一針一針へ向けられた職人たちの集中力は圧倒的でした。



これほどの空気が漂うのも当然です。
この5名の中には、60年近く刺繍を続けてきた職人さんがいます。
そして他の職人さんも、40年、50年以上この道を歩んできた大ベテランばかり。







話をしているときは、とても穏やかで優しい雰囲気。
それなのに、針を手にした瞬間、その場の空気が一変します。
熟練職人だけがまとえる、圧倒的な存在感がそこにはありました。



また、「刺繍をする上で、一番難しいところはどこですか?」と尋ねてみました。
すると皆さんは顔を見合わせながら笑って、「特にないよ」と一言。
思わず僕も笑ってしまいました。



目の前で施される刺繍は、一針一針の糸の間隔が驚くほど均一。
さらに刺繍には美しい立体感が生まれ、まさに神業と呼ぶにふさわしい仕上がりです。



ここまでの領域に達すると、「難しい」という感覚そのものが、もうなくなってしまうのかもしれません。 そして今回訪問した際、それぞれの職人さんが手掛けていたのは、完成までに半年から長いものでは2年もの歳月を要する大作ばかり。



世界最高峰の職人たちと、その手から生まれたストールが同じ空間にある。
これほど贅沢な時間は、そう何度も経験できるものではありません。



そんなことを思いながら、僕は一人ひとりの手元を、時間を忘れて見つめ続けていました。
(写真と動画だけでも500枚ほどを撮影)



基本的に僕は、あまり勿体ぶることはしません。
ですが今回だけは、少しだけ楽しみにしていてください。



Natural Loungeだからこそ出会うことができた、世界最高峰の職人たち。
彼らが生み出す圧倒的な手仕事の記録は、日本に帰ってからゆっくり厳選してご紹介していきたいと思います。




まだまだ続くカシミールの職人訪問。
次回もその様子をお届けします。




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Profile
Moto
Moto
1983年長野県生まれ。木曽在住。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。

趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。


2026.07.02

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