- 2018/09/15
- writer: Moto
カシミア山羊との再会 vol,4
おはようございます。
Natural LoungeのMotoです。
今日は昨日の続きをお届けしたいと思います。
ベースの街レーを離れて2日。
ようやくカシミア山羊生産者との再会を果たしました。
朝から生産者を訪問し、
貴重なカシミア山羊の乳絞りを体験。
なかなかできない経験にここまでの大変な道のりも忘れてしまいます。
そして今回初めてのチャレンジをしました。
それは、山羊の放牧に一緒に山へ登ること。
放牧は1日仕事であることや、
環境が過酷なため途中で高山病になったり怪我をした場合を考え
これまで放牧へ行ったことはありませんでした。
ただカシミア山羊が育つ環境を知るために
どうしても一度行ってみたいと以前から思っていたんですよね。
そして今回生産者の協力を得る事ができたため、
念願であった放牧に初めて同行させてもらえることになりました。
それでは早速その様子をお届けしたいと思います。
乳搾りを終えて早速放牧へ出かけます。
僕を不安そうに見送るドライバーのスカザン(右)と生産者のお母さん。笑
すごく心配そう・・・。苦笑
今日はこの山々を越えながらひたすら草を求めて移動します。
ここは標高4500mの場所。
少し山を登れば5000m近くになります。
期待と不安を胸に山羊と羊飼いのツェボンと歩きます。
道は険しく、一歩踏み外せば下まで落ちそうな崖を歩くこともあります。
ただ、山羊とツェボンはどんどん進んでいきます。
写真に彼らが写っていますがわかりますか?
ここ数日、毎日晴れ渡り空は真っ青です。
山羊が空に映えます。
自然以外何もない広大な場所に山羊が歩く音だけが響きます。
歩き始めて3時間。同じ景色がずっと続きます。
すると谷の向こう側に別の山羊と羊飼いがいました。
向こうからこちらを見ても同じ光景だと思いますが、
急斜面の道なき場所を山羊と共に進みます。
実際に山羊がよく食べる草です。
この草をたくさん食べて、良質なカシミアが育つんですね。
そして飲み水はヒマラヤ山脈から流れてくる雪解け水。
最高の食事です。
さらに歩き続けること5時間、急に目の前に湖が現れました。
すごい景色!!
これを彼らは毎日のように見ているんですね。
この湖は僕が滞在している宿がある湖。
遠くにはその村が見えます。
崖を歩く山羊がわかりますか?
ツェボンは100頭近い山羊へ、口笛と声で合図を送ります。
その合図によって山羊が止まったり、左右へ移動したりする一連の動きは見応え十分です。
草が多い場所があれば立ち止り、新鮮な草をたくさん摂ります。
こんな環境で育つカシミア山羊が良質でないはずがありません。
ラダック産カシミアの歴史は何百年も昔から続いていますが、
山羊の育て方、そしてこの環境、眺めは当時から少しも変わっていないんですよね。
100年前にここにいた生産者もこの景色を眺めていたと思うと
感慨深いものがあります。
つい山羊ばかり撮っていたのでツェボンと記念撮影。笑
標高が高く紫外線が強いこの場所では肌をできるだけ出さず、サングラスは必需品です。
こんな険しい山で山羊を守りながら、
一日中歩き続ける彼の仕事にはとても驚かされましたが、
彼の年齢を聞いてさらにびっくり。17歳の高校生だそうです。笑
すっかり意気投合したツェボン。
気持ちもナイスガイでしたが、顔もめちゃくちゃ好青年!
将来は家業を継いでカシミア山羊を育てるそうです。
ちなみにツェボンは僕が滞在していた標高3500mのレーという街で開催されるマラソン大会の優勝者なんだとか。
以前レーでマラソンがあると聞いた時、どんな奴が走るんだよ!と思いましたが、
彼に会ってその謎が解けました。笑
そして午後14時。少し遅めの昼食をとり家へ引き返します。
たくさん草を食べた山羊の足取りは帰りの方が少し早いような気がします。
薄暗くなり始めた18時、
山羊の放牧もほぼ終わりです。
どこからともなく、何組もの生産者が山羊と共に山から降りてきます。
ここに暮らす彼らにとって、この光景は日常なんですよね。
本当にすごいなー。
そして家につくと女性達が集まってきて、朝同様に夕方の乳搾りをします。
これが彼らの1日。乳搾りを終える頃には辺りは真っ暗です。
こうして念願であった放牧は無事終了し、長くて濃い1日が終了しました。
今の季節、彼らはここに暮らしていますが、
季節が変わればまた別の場所へ移動していきます。
それは常に山羊へ良い草を与え良質な原毛を育てるため。
それを何百年も昔から彼らは先祖代々続けています。
厳しくも美しい環境、そして素晴らしい生産者。
最高のカシミアができる理由を今回の訪問を通じて
また一つ知ることができた気がします。
自然が時間をかけて育むカシミアの魅力があなたにも伝われば嬉しいです。
PS:
9/14でナチュラルラウンジは5周年を迎え6年目に突入しました。
こうして続けていられるのも、
あなたをはじめこうした生産者のみんなの応援や協力があってこそです。
本当にありがとうございます。
これからも1日1日大切に進んで行きますので、よろしくお願いします!
インドラダック最終日のレポートはこちらです
Natural LoungeのMotoです。
今日は昨日の続きをお届けしたいと思います。
ベースの街レーを離れて2日。
ようやくカシミア山羊生産者との再会を果たしました。
朝から生産者を訪問し、
貴重なカシミア山羊の乳絞りを体験。
なかなかできない経験にここまでの大変な道のりも忘れてしまいます。
そして今回初めてのチャレンジをしました。
それは、山羊の放牧に一緒に山へ登ること。
放牧は1日仕事であることや、
環境が過酷なため途中で高山病になったり怪我をした場合を考え
これまで放牧へ行ったことはありませんでした。
ただカシミア山羊が育つ環境を知るために
どうしても一度行ってみたいと以前から思っていたんですよね。
そして今回生産者の協力を得る事ができたため、
念願であった放牧に初めて同行させてもらえることになりました。
それでは早速その様子をお届けしたいと思います。
乳搾りを終えて早速放牧へ出かけます。
僕を不安そうに見送るドライバーのスカザン(右)と生産者のお母さん。笑
すごく心配そう・・・。苦笑
今日はこの山々を越えながらひたすら草を求めて移動します。
ここは標高4500mの場所。
少し山を登れば5000m近くになります。
期待と不安を胸に山羊と羊飼いのツェボンと歩きます。
道は険しく、一歩踏み外せば下まで落ちそうな崖を歩くこともあります。
ただ、山羊とツェボンはどんどん進んでいきます。
写真に彼らが写っていますがわかりますか?
ここ数日、毎日晴れ渡り空は真っ青です。
山羊が空に映えます。
自然以外何もない広大な場所に山羊が歩く音だけが響きます。
歩き始めて3時間。同じ景色がずっと続きます。
すると谷の向こう側に別の山羊と羊飼いがいました。
向こうからこちらを見ても同じ光景だと思いますが、
急斜面の道なき場所を山羊と共に進みます。
実際に山羊がよく食べる草です。
この草をたくさん食べて、良質なカシミアが育つんですね。
そして飲み水はヒマラヤ山脈から流れてくる雪解け水。
最高の食事です。
さらに歩き続けること5時間、急に目の前に湖が現れました。
すごい景色!!
これを彼らは毎日のように見ているんですね。
この湖は僕が滞在している宿がある湖。
遠くにはその村が見えます。
崖を歩く山羊がわかりますか?
ツェボンは100頭近い山羊へ、口笛と声で合図を送ります。
その合図によって山羊が止まったり、左右へ移動したりする一連の動きは見応え十分です。
草が多い場所があれば立ち止り、新鮮な草をたくさん摂ります。
こんな環境で育つカシミア山羊が良質でないはずがありません。
ラダック産カシミアの歴史は何百年も昔から続いていますが、
山羊の育て方、そしてこの環境、眺めは当時から少しも変わっていないんですよね。
100年前にここにいた生産者もこの景色を眺めていたと思うと
感慨深いものがあります。
つい山羊ばかり撮っていたのでツェボンと記念撮影。笑
標高が高く紫外線が強いこの場所では肌をできるだけ出さず、サングラスは必需品です。
こんな険しい山で山羊を守りながら、
一日中歩き続ける彼の仕事にはとても驚かされましたが、
彼の年齢を聞いてさらにびっくり。17歳の高校生だそうです。笑
すっかり意気投合したツェボン。
気持ちもナイスガイでしたが、顔もめちゃくちゃ好青年!
将来は家業を継いでカシミア山羊を育てるそうです。
ちなみにツェボンは僕が滞在していた標高3500mのレーという街で開催されるマラソン大会の優勝者なんだとか。
以前レーでマラソンがあると聞いた時、どんな奴が走るんだよ!と思いましたが、
彼に会ってその謎が解けました。笑
そして午後14時。少し遅めの昼食をとり家へ引き返します。
たくさん草を食べた山羊の足取りは帰りの方が少し早いような気がします。
薄暗くなり始めた18時、
山羊の放牧もほぼ終わりです。
どこからともなく、何組もの生産者が山羊と共に山から降りてきます。
ここに暮らす彼らにとって、この光景は日常なんですよね。
本当にすごいなー。
そして家につくと女性達が集まってきて、朝同様に夕方の乳搾りをします。
これが彼らの1日。乳搾りを終える頃には辺りは真っ暗です。
こうして念願であった放牧は無事終了し、長くて濃い1日が終了しました。
今の季節、彼らはここに暮らしていますが、
季節が変わればまた別の場所へ移動していきます。
それは常に山羊へ良い草を与え良質な原毛を育てるため。
それを何百年も昔から彼らは先祖代々続けています。
厳しくも美しい環境、そして素晴らしい生産者。
最高のカシミアができる理由を今回の訪問を通じて
また一つ知ることができた気がします。
自然が時間をかけて育むカシミアの魅力があなたにも伝われば嬉しいです。
PS:
9/14でナチュラルラウンジは5周年を迎え6年目に突入しました。
こうして続けていられるのも、
あなたをはじめこうした生産者のみんなの応援や協力があってこそです。
本当にありがとうございます。
これからも1日1日大切に進んで行きますので、よろしくお願いします!
インドラダック最終日のレポートはこちらです
コメント
「カシミア山羊との再会 vol,4」への9件のフィードバック
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Profile
Moto
1983年長野県生まれ。木曽在住。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
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おはようございます
改めて ひとつの商品なるまでには 日々の自然中の暮らしと昔ながらの糸にし織り込む 長い時間などなど 凄く大変な仕事でしょが価値があり素敵なお仕事だなあと でも 中々真似ができる仕事ではありません
これからも 楽しく素敵なお話 楽しみにしています
お仕事頑張って下さい(^O^)
おはようございます!
本当に一つの商品になるまでに、どれだけの時間と手間がかかっているんだろう。と思います。
化学繊維とは異なり、自然が時間をかけて作り出す天然繊維。
そしてそれを人が丁寧に手作業で作り上げていくものは、本当に価値があると思います。
優しくて、良いものにたくさん触れて皆さんにご紹介できるように頑張ります!
Moto
Motoさん、6周年目も この美しい空の下にいるって
すごいですね~ おめでとうございます!
レポート、写真をずっと見てきて、
自然は”神様からの恵”なんだと、、改めて感じます。
どんなに ITの時代になっても、この偉大な自然を
見せられたら、人間は太刀打ちできませんね。
Motoさんが 一番感じていることと思います。
ツェボンの顔を見た途端、なぜか涙が、、、
「山羊が歩く音だけが響く」。。。。。 静かな光景。。
自然の恵みの中で生きてる人って、忍耐強く、、
だからこそ、ピュアで優しいでしょうね?
毎回、Motoさんのレポートに 吸い込まれています。
なのに 感動がまとまらなくて、、ごめんなさい。
忘れかけていることを、沢山気付かせて頂けて 感謝です。
健康が守られますように 祈っています。
(MotoさんFの。。。。。)
コメントありがとうございます!
だいたい毎年このオープン記念日はインドにいるんですよね。笑
でも、こうしてインドにいることができるのも、お店を続けることができている証なので嬉しく思います。
本当に自然豊かな場所で圧倒されて、人間って本当にちっぽけだなと感じます。
そして僕たちは自然の恩恵を受けながら、生活させてもらっているんだなと改めて思いました。
ツェボンも本当に素直で気さくで、初めて会った僕にとても優しく接してくれましたし、
山羊をリードする姿には彼らに対する愛情も感じました。
本当にピュアっていう言葉がまさに当てはまる彼と接して、僕も色々なことを考えさせてもらいました。
大抵はしょうもない事ばかりのメルマガですが、笑
レポートも興味を持って見ていただけて本当に嬉しいです。
いつも本当にありがとうございます。
Moto
本当にカシミア山羊の放牧に1日密着しての連続写真は今までありませんでしたね。一枚の放牧写真では知りえないものがたくさあり、realに体験させていただきました。Good idea and wonderful job!ですね no
noさん
いつもありがとうございます!
そういっていただけると放牧に行った甲斐があります。涙
特にカシミアだけを見ていると見えてこないものも、
実際にその地域の人、文化や習慣、生活スタイル、もっと言えば匂いや音に触れる事で見えてくることがあります。
こういう体験ができている事は本当にありがたい事です。
放牧は実際本当に大変で、生産者のすごさをただただ痛感させられました。
もう当分行かなくてもいいかなというのが本音です。苦笑
ただそれだけ彼らが凄い環境で山羊を育てているという事で
それを身を持って経験できた事は貴重な財産になったなと思います。
いつもメルマガに目を通して頂きありがとうございます!
Moto
百聞は一見にしかず、とはいいますが、この現場を見ることのできるMOTOさんがうらやましいです。(勿論、アクセスはとっても大変でしょうが)
これからもずっと、自然の恵みと生産者の方々の暮らしが、続いていくことを祈らずにはいられません。
それにしても、ツェボン君、頼り甲斐のあるイケメンですね。 ハヤシ
ハヤシさん
百聞は一見にしかず、という言葉を僕も現地でなんども思いました。
僕たちはカシミアやカシミールの書籍を色々読んで調べてきたりもしていますが、
現地を訪れると本にはない情報がたくさんあります。
非常に厳しい環境ですし、発展し続けている今のインドでどれだけ伝統的な仕事が残っていくのか、
正直わかりません。
ただ、存在している今それをできるだけ情報として残せて行けるように僕たちもできる事はしたいと思います。
ツェボン、本当に逞しくて本当にイケメンでした。笑 彼のように伝統を引き継いでいってくれる生産者がたくさんいればいいですよね。
いつも本当にありがとうございます!
Moto
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