- 2020/09/01
- writer: Moto
手刺繍カシミヤストールについてまとめています♪vol.3
おはようございます。
Natural LoungeのMotoです。
今日は一週間空いてしまいましたが、vol2までお届けしていた、「手刺繍カシミヤストールについてまとめています♪」をお届けしようと思います。
しかも昨日山崎がブログに書いたように、ちょうどまた素晴らしい手刺繍カシミヤストールがお嫁に行ってしまったんです。涙
嬉しいけど、切ない。
商売人としてダメダメですが、いつも複雑な気持ちになるんですよね。苦笑
そして今回常連のMさんに選んで頂いた手刺繍ストールがこちら。
こうして見ても、やっぱいいわ〜とつい口にしてしまいます。
今回は電話で直接お話をさせて頂いてご購入頂いたこちらのストール。
Mさんには初めてカシミヤストールをお選びいただきましたが、気に入って頂ければ嬉しいです。
あーどんどんコレクションが減って行く・・・。苦笑
じゃあ販売しなきゃいいだろ。怒
と言われてしまいますが、生活もかかってますからね。
(いきなり現実的。笑)
別れは新たな出会いの為にある。
そう言い聞かせてまた素晴らしい作品を求めて行こうと思います。
それでは今日の本題である、「手刺繍カシミヤストールについてまとめています♪vol.3」をお伝えして行こうと思います。
前回もお伝えしましたが、今僕は最高級の手刺繍カシミヤストールについてまとめている最中です。
本やネットで手刺繍カシミヤストールを調べると、どのように作られているかは書かれていますが、カシミールがどういう場所なのか、書いているものがないんですよね。
細かく彼らの普段の生活を深掘りして書く訳ではありませんが、実際に現地へ行く僕たちだからこそお伝えできる側面を交えながらまとめていこうと考えています。
それでは前回の続きとなる「手刺繍カシミヤストール」を途中までですがご覧下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<前回の続きから>
まず、最高品質の手刺繍カシミヤストールを語る上で、是非あなたに知って頂きたい刺繍があります。
それがアーリ刺繍と呼ばれるものです。
カシミールには大きく分けてニードル刺繍とこのアーリ刺繍があります。
このアーリ刺繍はストールはもちろん、家のクッションカバーやカーテンなどに施されるニードル刺繍に比べるとカジュアルな刺繍になります。
細い針を使って刺繍をしていくニードル刺繍とは違い、かぎ針を使って刺繍をしていくものです。
このアーリ刺繍もレベルの高いものは素晴らしいクオリティーですが、ニードル刺繍に比べるとカジュアルな刺繍です。
素材もニードル刺繍がカシミヤに施されるのに対し、アーリ刺繍はウールなど様々な素材の生地に施されます。
フォーマルなニードル、そしてカジュアルなアーリ。
ニードル刺繍は技術を極めるのが難しく生産に時間がかかりすぎるため、比較的技術的に簡単なアーリ刺繍が広まったと現地で職人に教えてもらいました。
少し街を歩けば、このアーリ刺繍をしている工房も見つけることができます。
それだけカシミールの人々にとって織物や刺繍は身近な存在です。
カシミールの刺繍をご紹介する上で欠かすことができないアーリ刺繍。
こちらもまた別の機会にご紹介させてください。
それではいよいよ本題である手刺繍カシミヤストールについてのご紹介です!
ここまでカシミールがどのような場所なのか、そしてカシミールに伝わる織物や刺繍も見ていただきました。
15世紀頃から変わらず先祖代々受け継がれてきたカシミールに残る数々の伝統技術。
これらを説明することなく、この手刺繍カシミヤストールを語ることはできません。
手刺繍の最高峰と呼ばれるニードル刺繍がどのように生産されているのか。
ご紹介したいと思います。
まず始めに、手刺繍ストールのベースとなる生地は冒頭でもご紹介した最高品質のカシミヤ原毛が使われた手織りカシミヤストールです。
現地ではウールのものに手刺繍を施したものも販売されていますが、カシミヤに施されるものとウールに施される刺繍では明らかなクオリティーの差があります。
現地で熟練の職人はまずウール生地に刺繍はしません。
マスターと呼ばれる彼らが最高の腕を振るうのはあくまで最高級のカシミヤ原毛が使われたもののみです。
なぜそう断言できるのかというと、僕たちも昔実際にウールのものをカシミヤと言われて購入したことがあるからです。笑
もちろん今はそんなこと100%ないのでご安心ください。
そして、刺繍を施す前にまず生地にデザインを写す作業があります。
マスターと呼ばれる職人もこの工程がなくては細かい刺繍を施していくことはできません。
デザイナーが描いたデザインを元に作られた木版。
これを重ねて一枚の大きな生地にベースとなる版をおします。
これがその元になる木版です。
インドで最も古いプリント方法がこの木版になります。
カシミール以外でもチカン刺繍などインドにある刺繍において、まず紙にデザインを描きそのデザインを元に木版を作ります。
一枚のストールを作り上げる中で、刺繍のデザインが細かければ細かいほど、この木版も細かくなります。
あ、言い忘れてましたがこの木版も全て手彫りなんです!
ニードル刺繍はあくまで刺繍のクオリティーが評価されますが、それ以前にこの木版のクオリティーが仕上がりに大きく影響します。
手刺繍ストールが完成するまでには様々な工程があり、それぞれの工程に高い技術の職人が携わっています。
こういうあまり表に出ない部分もこのページを覗いてくれたあなたには知って頂きたいと思います。
下の写真は貴重な木版が並んだ棚です。
工房を訪ねるとこうした部屋が必ずあります。
ちょっと脱線しますが、なぜこうして木版をクローズアップしたかというと、僕自身木版作りを現地でしたことがあるからです。
これがスーパー難しかった!笑
こんなシンプルなデザインでどれだけかかったか・・・
表情だけは一丁前ですけどね。笑
しかもこれあくまで木版を作っているので例えば花びらの部分もその花びらの細い線をしっかり残さなければいけません。
木版職人達はものすごい速さで彫っていきますがもはや芸術の域です。
どのように作られているのかを知って木版を見ると、また違う見え方になりますよね?
ニードル刺繍を説明する上で、これだけ下地になる木版について触れている人に出会ったことはありませんけどね。笑
ただ木版のことを知った後に最初の写真を見ると、これだけでも素晴らしものだということがわかっていただけるはずです。
そしてこの木版で下絵を写したものに、実際に最高レベルの手刺繍ストールを施すとこうなります!
それがこちら!
(同じものはないので、デザインは異なってます)
ちなみにこの刺繍。
刺繍を始めてからここまでに1年かかっていてまだ完成していないそうです。
こんな高いクオリティーの総刺繍の作品はインドへ行ってもそうそう目にすることはありません。
カシミールでもこのレベルの刺繍を施せる職人や工房は限られています。
<続く>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いかがでしたか?
ちゃっかり自分登場させてますからね。笑
カシミヤ手刺繍ストールはもちろん刺繍に目が行きますが、刺繍を施すまでにもこうしてとてつもない時間と、様々なプロフェッショナル達の技が集結して1枚の作品が仕上がります。
僕たち自身、知れば知るほど奥が深いカシミヤ手刺繍ストールの魅力に惹かれています。
素晴らしい作品が生み出される背景にはどんな文化や技術があるのか。
少しでも多くの方に知っていただける様に引き続きまとめていきます。
もう一回くらいで終わる予定です♪
それでは今日も一日頑張りましょう!
Natural LoungeのMotoです。
今日は一週間空いてしまいましたが、vol2までお届けしていた、「手刺繍カシミヤストールについてまとめています♪」をお届けしようと思います。
しかも昨日山崎がブログに書いたように、ちょうどまた素晴らしい手刺繍カシミヤストールがお嫁に行ってしまったんです。涙
嬉しいけど、切ない。
商売人としてダメダメですが、いつも複雑な気持ちになるんですよね。苦笑
そして今回常連のMさんに選んで頂いた手刺繍ストールがこちら。
こうして見ても、やっぱいいわ〜とつい口にしてしまいます。
今回は電話で直接お話をさせて頂いてご購入頂いたこちらのストール。
Mさんには初めてカシミヤストールをお選びいただきましたが、気に入って頂ければ嬉しいです。
あーどんどんコレクションが減って行く・・・。苦笑
じゃあ販売しなきゃいいだろ。怒
と言われてしまいますが、生活もかかってますからね。
(いきなり現実的。笑)
別れは新たな出会いの為にある。
そう言い聞かせてまた素晴らしい作品を求めて行こうと思います。
それでは今日の本題である、「手刺繍カシミヤストールについてまとめています♪vol.3」をお伝えして行こうと思います。
前回もお伝えしましたが、今僕は最高級の手刺繍カシミヤストールについてまとめている最中です。
本やネットで手刺繍カシミヤストールを調べると、どのように作られているかは書かれていますが、カシミールがどういう場所なのか、書いているものがないんですよね。
細かく彼らの普段の生活を深掘りして書く訳ではありませんが、実際に現地へ行く僕たちだからこそお伝えできる側面を交えながらまとめていこうと考えています。
それでは前回の続きとなる「手刺繍カシミヤストール」を途中までですがご覧下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<前回の続きから>
ニードル刺繍と共に受け継がれてきたアーリ刺繍
まず、最高品質の手刺繍カシミヤストールを語る上で、是非あなたに知って頂きたい刺繍があります。
それがアーリ刺繍と呼ばれるものです。
カシミールには大きく分けてニードル刺繍とこのアーリ刺繍があります。
このアーリ刺繍はストールはもちろん、家のクッションカバーやカーテンなどに施されるニードル刺繍に比べるとカジュアルな刺繍になります。
細い針を使って刺繍をしていくニードル刺繍とは違い、かぎ針を使って刺繍をしていくものです。
このアーリ刺繍もレベルの高いものは素晴らしいクオリティーですが、ニードル刺繍に比べるとカジュアルな刺繍です。
素材もニードル刺繍がカシミヤに施されるのに対し、アーリ刺繍はウールなど様々な素材の生地に施されます。
フォーマルなニードル、そしてカジュアルなアーリ。
ニードル刺繍は技術を極めるのが難しく生産に時間がかかりすぎるため、比較的技術的に簡単なアーリ刺繍が広まったと現地で職人に教えてもらいました。
少し街を歩けば、このアーリ刺繍をしている工房も見つけることができます。
それだけカシミールの人々にとって織物や刺繍は身近な存在です。
カシミールの刺繍をご紹介する上で欠かすことができないアーリ刺繍。
こちらもまた別の機会にご紹介させてください。
手刺繍の最高峰
それではいよいよ本題である手刺繍カシミヤストールについてのご紹介です!
ここまでカシミールがどのような場所なのか、そしてカシミールに伝わる織物や刺繍も見ていただきました。
15世紀頃から変わらず先祖代々受け継がれてきたカシミールに残る数々の伝統技術。
これらを説明することなく、この手刺繍カシミヤストールを語ることはできません。
手刺繍の最高峰と呼ばれるニードル刺繍がどのように生産されているのか。
ご紹介したいと思います。
まず始めに、手刺繍ストールのベースとなる生地は冒頭でもご紹介した最高品質のカシミヤ原毛が使われた手織りカシミヤストールです。
現地ではウールのものに手刺繍を施したものも販売されていますが、カシミヤに施されるものとウールに施される刺繍では明らかなクオリティーの差があります。
現地で熟練の職人はまずウール生地に刺繍はしません。
マスターと呼ばれる彼らが最高の腕を振るうのはあくまで最高級のカシミヤ原毛が使われたもののみです。
なぜそう断言できるのかというと、僕たちも昔実際にウールのものをカシミヤと言われて購入したことがあるからです。笑
もちろん今はそんなこと100%ないのでご安心ください。
そして、刺繍を施す前にまず生地にデザインを写す作業があります。
マスターと呼ばれる職人もこの工程がなくては細かい刺繍を施していくことはできません。
デザイナーが描いたデザインを元に作られた木版。
これを重ねて一枚の大きな生地にベースとなる版をおします。
これがその元になる木版です。
インドで最も古いプリント方法がこの木版になります。
カシミール以外でもチカン刺繍などインドにある刺繍において、まず紙にデザインを描きそのデザインを元に木版を作ります。
一枚のストールを作り上げる中で、刺繍のデザインが細かければ細かいほど、この木版も細かくなります。
あ、言い忘れてましたがこの木版も全て手彫りなんです!
ニードル刺繍はあくまで刺繍のクオリティーが評価されますが、それ以前にこの木版のクオリティーが仕上がりに大きく影響します。
手刺繍ストールが完成するまでには様々な工程があり、それぞれの工程に高い技術の職人が携わっています。
こういうあまり表に出ない部分もこのページを覗いてくれたあなたには知って頂きたいと思います。
下の写真は貴重な木版が並んだ棚です。
工房を訪ねるとこうした部屋が必ずあります。
ちょっと脱線しますが、なぜこうして木版をクローズアップしたかというと、僕自身木版作りを現地でしたことがあるからです。
これがスーパー難しかった!笑
こんなシンプルなデザインでどれだけかかったか・・・
表情だけは一丁前ですけどね。笑
しかもこれあくまで木版を作っているので例えば花びらの部分もその花びらの細い線をしっかり残さなければいけません。
木版職人達はものすごい速さで彫っていきますがもはや芸術の域です。
どのように作られているのかを知って木版を見ると、また違う見え方になりますよね?
ニードル刺繍を説明する上で、これだけ下地になる木版について触れている人に出会ったことはありませんけどね。笑
ただ木版のことを知った後に最初の写真を見ると、これだけでも素晴らしものだということがわかっていただけるはずです。
そしてこの木版で下絵を写したものに、実際に最高レベルの手刺繍ストールを施すとこうなります!
それがこちら!
(同じものはないので、デザインは異なってます)
ちなみにこの刺繍。
刺繍を始めてからここまでに1年かかっていてまだ完成していないそうです。
こんな高いクオリティーの総刺繍の作品はインドへ行ってもそうそう目にすることはありません。
カシミールでもこのレベルの刺繍を施せる職人や工房は限られています。
<続く>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いかがでしたか?
ちゃっかり自分登場させてますからね。笑
カシミヤ手刺繍ストールはもちろん刺繍に目が行きますが、刺繍を施すまでにもこうしてとてつもない時間と、様々なプロフェッショナル達の技が集結して1枚の作品が仕上がります。
僕たち自身、知れば知るほど奥が深いカシミヤ手刺繍ストールの魅力に惹かれています。
素晴らしい作品が生み出される背景にはどんな文化や技術があるのか。
少しでも多くの方に知っていただける様に引き続きまとめていきます。
もう一回くらいで終わる予定です♪
それでは今日も一日頑張りましょう!
コメント
「手刺繍カシミヤストールについてまとめています♪vol.3」への2件のフィードバック
コメントを残す コメントをキャンセル
Profile
Moto
1983年長野県生まれ。木曽在住。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
ストールの最新記事一覧
- 2024.11.20 writer:山崎拓
- 絶妙なバランス感覚の名品ストールです♪
- 2024.11.19 writer:山崎拓
- またまた素晴らしい1枚を手にしていただきました♪
- 2024.11.17 writer:山崎拓
- ウールとは思えない肌触り!試しに一度は巻いていただきたいストールです♪
2024年 (327)
2023年 (365)
2022年 (365)
2021年 (365)
2020年 (366)
2019年 (364)
2018年 (362)
2017年 (356)
2016年 (353)
2015年 (374)
10年以上前の記事
メールマガジンに登録するとストールコーディネート、ファッション情報、NaturalLoungeの最新ストール情報をいち早く手に入れることができます!
版画だけでも見事な芸術品ですが、そこに刺繍を施すプロセスも加わると、高価なのも納得ですね。それにしても、Motoさん、木版作りを極めれば、インドでも食べていけそう^_^
コメントありがとうございます。
この木版は本当に作るのが大変で、技術も必要なのに全く表に出てくることがないんですよね。苦笑
こうした様々な工程を経ていることをたくさんの方に知って頂けるだけでも嬉しいです。
そうなんですよねー。( ´ ▽ ` )ノ僕も数年インドにこもって木版を極めればインドで食べていけ・・・
って!日本で生活させてください。笑
Moto