自分への罰

2016/08/21
writer：山崎拓
- ストール

先日、あるお客さんがご来店されました。

その方は、かなりの敏感肌で化学繊維はもちろん、カシミアもウールもシルクもダメというお話をされていました。

高品質なコットン100%の衣類以外は一切身につけることができず、服選びがとても大変だということでした。
（同じ綿100％でも少しでも表面が起毛しているものだと、肌が荒れてしまうそうです）

しかも肌が弱いので日焼けも天敵で、夏は特に身につけることができる衣類がなくていつも困っている、とおっしゃっていました。

特に困っているのが首の日よけ。

ストールで日よけをしたいけれど、綿だとボリュームが少なく、ずっとつけっぱなしだと暑くて不便。

冬は綿の肌着を重ね着して寒さを凌いでいるので、なんとかなるけれど、夏は暑くてとてもじゃないけれど２枚以上のストールを巻いてはいられない・・・

そんな悩みがあり、当店のことは、天然繊維100%ストール専門店だから自分にも使えるものがあるのではないか？
ということでご来店いただきました。

お話を聞いて、今までもたくさん敏感肌の方はいらっしゃいましたが、今回のお客さんはその中でもかなり症状が重かったので、ご提案できるものは正直限られてしまうかなー、と思いました。

とはいえ、実際に試着して肌触りを確認してもらうのが一番なので、夏素材で風合いの優れたものから順番に試していただきました。

結果的にナチュラルラウンジのストールはどれも問題ありませんでした。

特にリネン100%の肌触りが気に入り、今回はリネンを夏の日よけ用として選んでいただきました。

かなり悩みが深い方だったので、気に入ったストールがあって良かったなー、と思う反面、繊維のアレルギーは本当に深刻な問題だな、と改めて感じました。

化学繊維アレルギー

化学繊維を身につけることでリスクはいろいろとありますが「化学繊維アレルギー」にも注意しなければなりません。

あなたも聞いたことがあるかもしれませんが、化学繊維アレルギーは、化学繊維によって作られた服や雑貨、寝具などを身につけたり、接触することでさまざまなアレルギー反応を引き起こしてしまう症状です。

皮膚が赤くなってしまったり、湿疹やかぶれ、痒みをともなう痛みなどが代表的です。

夏場は汗をかきますが、化学繊維は吸水・吸湿性が低いので衣類で密閉された部分が汗疹になってしまったり、冬は静電気の発生により、摩擦力が上がり、肌を傷つけやすくなり、さらに痒みや痛みを発生させます。

これらのアレルギーは若い頃は問題なくても、年をとってきてから発症することが多くあります。

なぜなら、これらの症状は体への接触時間と頻度、化学物質の毒性などと比例するからです。

さらに歳をとると肌も弱くなるので症状が出やすくなります。

実際に当店お客さんでも何人もそういった方がいらっしゃるので、常日ごろ気をつけていかなければならないことだと思います。

僕も昔は、肌着も化学繊維の入っているものを使っていましたし、衣類の組成など全く気にしていませんでした。
（肌着なんて安ければいいし、服はデザインがカッコよければいいと思っていました^^;）

でも、この仕事をするようになってから、肌に直接触れるものは体に優しい自然素材を選ぶべきだと思うようになりました。

特にこういった症状はすぐに現れないことが一番恐ろしい部分だと思います。

一番大切なものはあなたの健康です。

きっとあなたは僕に言われるまでもなく、よくわかっていると思いますが。

昔の僕のように、それを犠牲にして、着飾ったり、安く済ませることは少しずつ自分に罰を与えているようなものです。

何歳になっても健康でいられるよう、身につけるものにも注意を払っていきたいですね！

PS.
また、これはあまり知られていませんが、首の皮膚の厚さは手や足の1/3程度の厚さしかなく、体の中でも特に敏感な部分です。

肌が荒れやすく、化学物質も吸収されやすい部位ですから、首に身につけるストールは天然素材がどうか？
常に確認していきたいですね。

PPS.
ポリエステルやアクリルなどの原料は石油ですから特に気をつけましょう！

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Profile

山崎拓

1982年長野県生まれ。安曇野市在住。
Natural Lounge代表、ストールコンシェルジュ。
３児の父。
天然繊維100%ストールが大好きでほぼ一年中巻いている。
趣味が仕事で、休みより仕事をしているほうが楽しく落ち着くという仕事大好き人間。
情熱がある分野はビジネスや健康、教育関連。
好きなことは読書、Mr.Childrenの音楽鑑賞、家族サービス、旅行。
肌に直接身につけるものはもちろん、食べ物や生活スタイル全般を出来るだけ健康的で自然に沿ったものにできるよう日々自分自身でも様々なことを試し、顧客にもその効用を伝えている。