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雄大な自然の中に生きる



ヤク生産者の元を出発してから更に1時間。
待ちに待った瞬間が訪れました。



おい!あそこにカシミア山羊がいるぞ!



ドライバーの一言に、それまでの悪路で疲れ切っていた僕たちも身を乗り出してカシミア山羊を探します。



すると沢の周りに広がる草むらに人が1人立っているのが見えました。
え?
カシミア山羊はどこ?






車が徐々に近づいて行くと人の周りに広がる小さな白い点が見えます。
ベースの街を出発してから8時間。
草木の生えない、そして人も動物もいない大地をひたすら走ってきた僕たちにとって大自然の中に突如現れたその光景は違和感すら感じます。






更に近づいて行くとその白い点がカシミア山羊だということが僕たちにもはっきりとわかりました。
日本を出発してから1週間以上。
いやずっと日本の図書館で文献を探して、カシミア山羊の資料を読んできた僕たちにとってはもっと長い間待ち続けていた待望の瞬間です。
初めて見たそれは雄大で広大な目の前に広がる大自然に対して驚くほど小さくて可愛らしい生き物でした。



僕たちは山羊を驚かせないようにそっと車を降り、カシミア山羊を見せてもらえないか生産者へ声をかけます。
山羊は想像以上に臆病で、常に僕たちから一定の距離を取りながら地面に生えている草を食べ続けます。
草木の生えない厳しい環境の中でこうして水と草が生えている場所は彼らにとってとても貴重です。



初め僕たちは彼らを驚かせないように遠くからその光景を眺めていました。



ヒマラヤ山脈から流れてくる綺麗な川の水を飲む親子山羊。
草を食べるのに夢中でお母さん山羊を見失って泣く子ヤギ。
生産者の声を無視して群れから離れて崖へ登って行く山羊。







車も電車も人もいないその空間にはただ川を流れる水の音と山羊が草を食べる音、そして山羊の声が響いていました。



すると何もしないで立っていた僕たちに慣れてきたのか少しずつ彼らが近づいてきました。
敵ではないとわかってくれたようです。
さすがに触ることは難しいので近づいてきた山羊を驚かせないように引き続きしゃがんで観察します。






遠くから見るとわかりませんでしたが白い毛の山羊、茶色、グレイ、そして黒い山羊がいます。
更に驚かされたのが彼らの体の小さいこと。
大人の山羊でも僕たちの膝くらいまでしかありません。



そしてやはり一番気になったのがフワフワした綿あめのような毛並み。
触らなくても柔らかな毛質だということがわかります。







すると生産者がカシミア山羊を連れてきて僕たちに抱かせてくれました。
待ちに待った瞬間。
どんな感触なんだろうと緊張しながら山羊を抱きます。







抱きしめた手がスーッと外側の毛をすり抜けて内側に生える内毛に触れます。
今まで経験したことのないふんわりとあたたかな感触が手を包み込みました。
思わず僕たちは顔を見合わせて笑顔になります。



これめちゃくちゃやばい。
今でも覚えていますがそれが僕の口からでた最初の言葉でした。
今まで経験したことのない感触に表現が見つかりません。




そして初めての出会いはあっという間に時間が過ぎました。
彼らは放牧中。
街灯もなく、夜になると一気に気温が下がるこの場所では生命に関わるため日が落ちるまでに家に帰らなくてはいけません。



突然きた僕たちに放牧中の貴重なカシミア山羊を触らせてくれた生産者にお礼を伝え、次へ向かう彼らを見送ります。
初めて出会ったカシミア山羊。
そして僕たちにとって初めて出会った生産者は17才の女の子でした。








彼女たちの後ろ姿が小さくなるまで見送り、僕たちは次の生産者を目指します。







改めてここは標高4000m以上、冬場の気温がマイナス30度を超える場所。
大自然の中に彼らは生きていました。



コメント

雄大な自然の中に生きる」への2件のフィードバック

  1. Avatar匿名

    感動が伝わって来ます
    笑顔も見える気がします
    私のPSにはなぜか写真が映らなくなってしまったのですが
    素敵な光景が見えますK。S

    返信
    1. MotoMoto 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      今でもカシミア山羊を見るとテンション上がりますが、初めて生産者と山羊を見つけた時の感動は今でも忘れられません。これまでも色々な本やインターネットで調べてきましたが、現地の写真はほとんどないので是非写真も見てもらえればと思います!
      いつもありがとうございます。
      Moto

      返信

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Profile
Moto
Moto
1983年長野県生まれ。木曽在住。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。

趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。


2019.11.14

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