- 2026/07/09
- writer: Moto
「世界最高峰の織り。カニ織の職人を訪ねて」
おはようございます。
Natural LoungeのMotoです。
今朝のブログも引き続きカシミールからお届けします。
前回の続きです。
ランチを済ませ、しっかり腹ごしらえも完了。
いよいよ次の工房へ向かいます。
今回のカシミール訪問では、長年お付き合いのある生産者の方が、僕らのために現地を案内してくれています。
地元の職人たちから厚い信頼を得ている彼らだからこそ、普段はなかなか訪れることのできない工房や、卓越した技術を持つ職人さんたちを紹介してもらえます。
僕らにとって、これほど心強い味方はいません。
今回でカシミールを訪れるのは5回目。
これまでは、ほとんど手探りの状態で現地を歩き回り、自分たちの足で職人さんを探してきました。
だからこそ、今回は次から次へと素晴らしい職人さんに出会えることに、「こんなに恵まれていていいのだろうか」と、少し申し訳ないような気持ちになるほど。笑
とはいえ、こうした機会が今後いつまた訪れるかはわかりません。
だからこそ、一つひとつの出会いを大切にしながら、この日も次の工房へ向かいました。
次はどんな工房へ連れて行ってもらえるのか。
バザールを出発した車の中で尋ねると、「次は刺繍ではなく、カニ織の職人を訪ねるよ」と教えてくれました。
パシュミナ糸で織り上げていくカニ織。

カシミールが世界に誇る最高峰の手織り技術。
これまでも何度かカニ織の生産者を訪ねたことはありますが、またあの素晴らしい手仕事を目の前で見ることができると思うと、自然と気持ちが高鳴ります。
今回はどんな職人さんと出会い、どんな技術を見せてもらえるのか。
期待に胸を膨らませながら、車は目的地へと向かいました。
ちなみに、Natural Loungeでこれまで仕入れたことがあるカニ織は、たった一枚だけ。
その唯一の一枚も昨年お客さんのもとへお嫁にいき、現在はカニ織の取り扱いはありません。
しかも、カニ織の多くはショールサイズで織られるため、ストールサイズに出会えること自体が非常に稀。
あの一枚との出会いは、僕の買い付け人生の中でも忘れられない、まさに運命的なものでした。
もしかしたら今回も、そんな特別な一枚との出会いが待っているかもしれない。
そんな期待も胸に抱きながら、世界最高峰の織りを受け継ぐ職人さんのもとへ向かいました。
それにしても、のどかな場所です。
職人さんの工房から次の工房へ。
車窓から広がる景色は、どこまでもカシミールらしい穏やかな風景。
豊かな緑が広がり、遠くには山々が連なり、街の喧騒とはまるで別世界です。
窓の外を眺めているだけで、ゆったりとした時間が流れていくのを感じます。
こうして職人さんたちが暮らし、ものづくりを続けている風景そのものが、カシミールの魅力なのだと改めて感じました。

そして、いよいよカニ織の工房に到着しました。
期待を胸に工房の中へ足を踏み入れます。

工房の中に入ると、そこには複数の織り機が並び、8名の女性の職人さんたちが、それぞれ黙々とカニ織のショールを織り続けていました。
工房全体はとても静か。
職人さんが手元に集中している様子を少し離れた場所から、その様子を見つめていると、
「もっと近くで見てもらって大丈夫ですよ」
と、声をかけていただきました。
ソズニ刺繍の工房を訪れたときもそうでしたが、これほど繊細な手仕事を目の前にすると、息をするのもためらってしまうほどの緊張感があります。
職人さんの集中を妨げないよう細心の注意を払いながら、一歩ずつ織り機へ近づき、その世界最高峰の技を間近で見せてもらうことにしました。

織り機に近づいて、まず目に飛び込んできたのは、その光景でした。
パシュミナ糸が巻かれた小さな木製の杼が、織り機の端から端までびっしりと並べられています。
一本や二本ではなく、その数は100本以上あります。
色ごとに糸を巻いた無数の杼が整然と並び、その数だけでも、この織物がどれほど複雑な工程を経て作られているのかが伝わってきます。
写真の右部部分。青い糸が実際に縦糸に通されています。
このように並んだ杼を一本ずつ手に取り、織り機の端から端まで通していきます。
そして、すべての杼を通し終えて、ようやく一段の織りが終わります。

長さにすれば、この一度の工程で織り進められるのは、わずか1〜2mmほど。
たった数ミリを織るために、これだけの手間と時間をかけているのです。
この果てしない積み重ねによって、一枚の美しいカニ織のショールが完成していきます。
なんて気の遠くなるような仕事なんでしょうか。
目の前で見ているだけでも、その途方もない手間と集中力に圧倒されてしまいました。
僕が驚いていると織っているショールを広げて見せてくれました。
圧巻の一枚。

一年以上かけてようやくこの長さに。
こんな織が世の中に存在することに改めて驚かされます。
そんなことを考えながら見入っていると、
「せっかくだから、実際にやってみますか?」
「いやいや・・・」
と遠慮しながらも、こういう機会は二度とないかもしれません。
ちゃっかり織り機の前に座らせてもらい、職人さんに教わりながら、一本目の杼を慎重に通します。
たった一本なのに、これが想像以上に難しい。
緊張もありますが、それ以上に作業が細かすぎて手が震えます。笑

いつも通り、そんな僕の様子を見て、真剣な表情で作業をしていた職人さんたちも思わず笑顔に。笑
僕自身はもちろん、工房全体の緊張感もふっと和らいだ気がしました。
引き続き職人さんの仕事を拝見していると、まだカニ織を始めて間もない職人さんに、ベテランの職人さんが丁寧に技術を教えている姿もありました。
一本一本の杼の扱い方や糸の通し方を確認しながら、何度も優しく手を添えて教えるベテランの職人さん。
こうして長年培われてきた技術が、次の世代へと受け継がれていく。
カニ織という伝統がどのように代々受け継がれてきたのか、垣間見た気がしました。
ここから次世代の最高の職人が生まれていく。
素晴らしいカニ織の工房、職人さんとの出会いとなりました。

ちなみに今回は残念ながら、全てのショールがすでに行き先が決まっていました。涙
また素晴らしいカニ織をみなさんに紹介できるように頑張ります。笑
Natural LoungeのMotoです。
今朝のブログも引き続きカシミールからお届けします。
前回の続きです。
ランチを済ませ、しっかり腹ごしらえも完了。
いよいよ次の工房へ向かいます。
今回のカシミール訪問では、長年お付き合いのある生産者の方が、僕らのために現地を案内してくれています。
地元の職人たちから厚い信頼を得ている彼らだからこそ、普段はなかなか訪れることのできない工房や、卓越した技術を持つ職人さんたちを紹介してもらえます。
僕らにとって、これほど心強い味方はいません。
今回でカシミールを訪れるのは5回目。
これまでは、ほとんど手探りの状態で現地を歩き回り、自分たちの足で職人さんを探してきました。
だからこそ、今回は次から次へと素晴らしい職人さんに出会えることに、「こんなに恵まれていていいのだろうか」と、少し申し訳ないような気持ちになるほど。笑
とはいえ、こうした機会が今後いつまた訪れるかはわかりません。
だからこそ、一つひとつの出会いを大切にしながら、この日も次の工房へ向かいました。
次はどんな工房へ連れて行ってもらえるのか。
バザールを出発した車の中で尋ねると、「次は刺繍ではなく、カニ織の職人を訪ねるよ」と教えてくれました。
パシュミナ糸で織り上げていくカニ織。

カシミールが世界に誇る最高峰の手織り技術。
これまでも何度かカニ織の生産者を訪ねたことはありますが、またあの素晴らしい手仕事を目の前で見ることができると思うと、自然と気持ちが高鳴ります。
今回はどんな職人さんと出会い、どんな技術を見せてもらえるのか。
期待に胸を膨らませながら、車は目的地へと向かいました。
ちなみに、Natural Loungeでこれまで仕入れたことがあるカニ織は、たった一枚だけ。
その唯一の一枚も昨年お客さんのもとへお嫁にいき、現在はカニ織の取り扱いはありません。
しかも、カニ織の多くはショールサイズで織られるため、ストールサイズに出会えること自体が非常に稀。
あの一枚との出会いは、僕の買い付け人生の中でも忘れられない、まさに運命的なものでした。
もしかしたら今回も、そんな特別な一枚との出会いが待っているかもしれない。
そんな期待も胸に抱きながら、世界最高峰の織りを受け継ぐ職人さんのもとへ向かいました。
それにしても、のどかな場所です。
職人さんの工房から次の工房へ。
車窓から広がる景色は、どこまでもカシミールらしい穏やかな風景。
豊かな緑が広がり、遠くには山々が連なり、街の喧騒とはまるで別世界です。
窓の外を眺めているだけで、ゆったりとした時間が流れていくのを感じます。
こうして職人さんたちが暮らし、ものづくりを続けている風景そのものが、カシミールの魅力なのだと改めて感じました。

そして、いよいよカニ織の工房に到着しました。
期待を胸に工房の中へ足を踏み入れます。

工房の中に入ると、そこには複数の織り機が並び、8名の女性の職人さんたちが、それぞれ黙々とカニ織のショールを織り続けていました。
工房全体はとても静か。
職人さんが手元に集中している様子を少し離れた場所から、その様子を見つめていると、
「もっと近くで見てもらって大丈夫ですよ」
と、声をかけていただきました。
ソズニ刺繍の工房を訪れたときもそうでしたが、これほど繊細な手仕事を目の前にすると、息をするのもためらってしまうほどの緊張感があります。
職人さんの集中を妨げないよう細心の注意を払いながら、一歩ずつ織り機へ近づき、その世界最高峰の技を間近で見せてもらうことにしました。

織り機に近づいて、まず目に飛び込んできたのは、その光景でした。
パシュミナ糸が巻かれた小さな木製の杼が、織り機の端から端までびっしりと並べられています。
一本や二本ではなく、その数は100本以上あります。
色ごとに糸を巻いた無数の杼が整然と並び、その数だけでも、この織物がどれほど複雑な工程を経て作られているのかが伝わってきます。
写真の右部部分。青い糸が実際に縦糸に通されています。
このように並んだ杼を一本ずつ手に取り、織り機の端から端まで通していきます。
そして、すべての杼を通し終えて、ようやく一段の織りが終わります。

長さにすれば、この一度の工程で織り進められるのは、わずか1〜2mmほど。
たった数ミリを織るために、これだけの手間と時間をかけているのです。
この果てしない積み重ねによって、一枚の美しいカニ織のショールが完成していきます。
なんて気の遠くなるような仕事なんでしょうか。
目の前で見ているだけでも、その途方もない手間と集中力に圧倒されてしまいました。
僕が驚いていると織っているショールを広げて見せてくれました。
圧巻の一枚。

一年以上かけてようやくこの長さに。
こんな織が世の中に存在することに改めて驚かされます。
そんなことを考えながら見入っていると、
「せっかくだから、実際にやってみますか?」
「いやいや・・・」
と遠慮しながらも、こういう機会は二度とないかもしれません。
ちゃっかり織り機の前に座らせてもらい、職人さんに教わりながら、一本目の杼を慎重に通します。
たった一本なのに、これが想像以上に難しい。
緊張もありますが、それ以上に作業が細かすぎて手が震えます。笑

いつも通り、そんな僕の様子を見て、真剣な表情で作業をしていた職人さんたちも思わず笑顔に。笑
僕自身はもちろん、工房全体の緊張感もふっと和らいだ気がしました。
引き続き職人さんの仕事を拝見していると、まだカニ織を始めて間もない職人さんに、ベテランの職人さんが丁寧に技術を教えている姿もありました。
一本一本の杼の扱い方や糸の通し方を確認しながら、何度も優しく手を添えて教えるベテランの職人さん。
こうして長年培われてきた技術が、次の世代へと受け継がれていく。
カニ織という伝統がどのように代々受け継がれてきたのか、垣間見た気がしました。
ここから次世代の最高の職人が生まれていく。
素晴らしいカニ織の工房、職人さんとの出会いとなりました。

ちなみに今回は残念ながら、全てのショールがすでに行き先が決まっていました。涙
また素晴らしいカニ織をみなさんに紹介できるように頑張ります。笑
コメント
Profile
Moto
1983年長野県生まれ。木曽在住。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
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2026年 (194)
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2024年 (366)
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