- 2020/09/03
- writer: Moto
手刺繍カシミヤストールについてまとめています♪完結編
おはようございます。
Natural LoungeのMotoです。
今朝はちょっと長くなりそうなので早速本題へ行こうと思います。
これまで3回に渡って手刺繍カシミヤストールについてお届けしてきましたが、今日が最終回です。
今回ご紹介している記事は完成次第ホームページのライブラリーに公開しますが、まずはいつもこのメルマガをチェックしてくれているあなたに見て頂ければ嬉しいです♪
それではいきますね!
これまでもお伝えしましたが、今僕は最高級の手刺繍カシミヤストールについてまとめている最中です。
本やネットで手刺繍カシミヤストールを調べると、どのように作られているかは書かれていますが、カシミールがどういう場所なのか、書いているものがないんですよね。
細かく彼らの普段の生活を深掘りして書く訳ではありませんが、実際に現地へ行く僕たちだからこそお伝えできる側面を交えながらまとめていこうと考えています。
それでは前回の続きとなる「手刺繍カシミヤストール」を最後までご覧下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<前回の続きから>
ここまで流れをご説明してきましたが、いよいよ実際に刺繍をしている職人の現場を覗いて見ましょう。
訪れたのは93歳の刺繍職人であるハージさんの工房兼ご自宅。
子供の頃に家計を支えるため始めたという刺繍の仕事。
すでに職人歴100年だよと笑って冗談を言うハージさんです。
すごい職人に会わせてやる!と言われて連れて行ってもらったものの、最初会った時はこんなおじいちゃんが刺繍できるのかな?
と不安になりました。
内心大丈夫???と思いましたが
手元を見てびっくり。
(是非写真を拡大して見てください!)
ハージさんごめなさい。
もう何千枚と手刺繍ストールを見てきていますが非常に丁寧で、紹介してくれたインド人がマスターだと何度も言っていたのが納得できました。
見てくださいこの刺繍。
ため息が出ます。
小さい小花、一本の茎からピンク、パープル、オレンジの花びらが繊細に刺繍されています。
この時ハージさんは細い針にブルーの糸を通してお花のめしべの部分を仕上げていました。
先ほど紹介した木版の跡も見えますが、一つ一つ糸の色を変えて、大きなショールに針を通していく。
気が遠くなるような、仕事です。
代々受け継がれた伝統を守り、長い時間をかけて丁寧に仕上げていく。
口数は少なくてもその仕事からハージさんの人柄が伝わってきます。
最近は後継者不足で更に希少になってきているニードル刺繍。
こんな素晴らしい職人が時間をかけて丁寧に施した1枚は言わずとも貴重です。
実はハージさん家族は奥さんがカシミヤの原毛から糸にする職人で、息子さんはカシミール絨毯の職人とカシミールの伝統技術を継承する一家。
優しい表情からもどんな仕事をする人たちなのか伝わります。
今回はハージさんを紹介しましたが、カシミールのどの職人さんを訪ねてもせかせかしながら刺繍をしている人はいません。
刺繍を始めると陽の光で手元を照らしながら一言も話さずに一本一本糸を通していく。
その集中力は本当にすごいなと何度彼らの仕事を見ても感じます。
実際大きくカシミール刺繍と言っても、手仕事で作っているので職人によって丁寧さや、細かさが異なります。
本当に高度な刺繍職人を探すのは現地でも困難です。
だからこそ、素晴らしい手刺繍ストールとの出会いはまさに一期一会。
その手仕事に出会った時には言葉にできないような衝動を体に感じます。
原毛作りから、刺繍までどれだけのプロフェッショナル達が携わって一枚が仕上がるのか、正直僕たちでも全てを追うことができないほど、たくさんの人たちが関わっているのがこの手刺繍カシミヤストールです。
いかがでしたか?
手刺繍ストールがどのような環境で、そしてどのように作られているのか知って頂けたでしょうか?
ファストファッションが広がり、世界中で同じ服が買える今の時代。
こんな手間のかかる手仕事が残っているということだけでも文化的な価値がこの刺繍にはあります。
服飾は文化。
現代人が忘れ始めていることを彼らは再確認させてくれる、それほど素晴らしい手仕事です。
それでは最後にこれまでNatural Loungeで実際に買付けた最高級のカシミヤ手刺繍ストールを、カシミールの風景と共にご紹介してこの記事を締めたいと思います。
是非今日紹介させて頂いた工程を思い出しながらご覧ください。
まず初めはオフホワイトベースのカシミヤ生地に、ライトブルーやラベンダー色の糸で刺繍された1枚。
透明感があり、カシミールの冬の景色を連想させるような素晴らしい手仕事。
こちらは裏地を撮影したものです。
どちらが表かわからない程丁寧な仕事がされています。
職人が一枚のショールに命を吹き込む。
見れば見るほど魅力を感じる1枚です。
カシミール刺繍職人の多くは郊外の村に暮らしています。
冬が終わり春になるとその村の周りは菜の花に囲まれます。
こちらはグレイベースの生地に刺繍が施された1枚です。
品のあるグレイにブロンズ色の糸でシックに仕上げた上品な一品。
まさに洗練を極めたラグジュアリーショールです。
窓から差し込む陽の光で手元を照らしながら、彼らは刺繍を施していきます。
この姿は何百年も昔から変わることがありません。
続いては全体に高度な刺繍が施された最高品質のカシミヤ刺繍ストール。
刺繍の美しさ、繊細さ、密度、どれをとっても最上級の一枚です。
匠の技が結集した超一流の職人達による精巧な手刺繍はまさに芸術品。
これほどの刺繍はそうそうお目にかかれません。
カシミールの中心にはダル湖と呼ばれる大きな湖があります。
インド中の人々がこの美しい湖に憧れ、カシミールを訪れます。
そして最後の1枚は自然の息吹を感じさせるこの優しいストール。
刺繍によって印象が大きく変わる。
職人の人柄まで感じられる1枚です。
カシミールの人々は代々大自然からインスピレーションを受けながら伝統を受け継いできました。
昔から変わらない景色。
何百年も昔の人々が見た景色が今でも見ることができる。
彼らの歴史、文化、生活の全てが詰まった結集こそが、インド・カシミールに伝わる伝統の手刺繍カシミヤストールだと私たちは思います。
<完>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いかがですか?
完成したショールを見てもため息が出ますが、改めてどんな場所で、そしてどんな人たちがどの様に生産をしているのか知ると見え方が変わります。
あなたにもこんな伝統の手仕事があるんだと知って頂ければ嬉しいです。
最後まで目を通して頂きありがとうございました。
それでは今日も一日頑張りましょう!
Natural LoungeのMotoです。
今朝はちょっと長くなりそうなので早速本題へ行こうと思います。
これまで3回に渡って手刺繍カシミヤストールについてお届けしてきましたが、今日が最終回です。
今回ご紹介している記事は完成次第ホームページのライブラリーに公開しますが、まずはいつもこのメルマガをチェックしてくれているあなたに見て頂ければ嬉しいです♪
それではいきますね!
これまでもお伝えしましたが、今僕は最高級の手刺繍カシミヤストールについてまとめている最中です。
本やネットで手刺繍カシミヤストールを調べると、どのように作られているかは書かれていますが、カシミールがどういう場所なのか、書いているものがないんですよね。
細かく彼らの普段の生活を深掘りして書く訳ではありませんが、実際に現地へ行く僕たちだからこそお伝えできる側面を交えながらまとめていこうと考えています。
それでは前回の続きとなる「手刺繍カシミヤストール」を最後までご覧下さい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<前回の続きから>
最高の技術を持った職人を訪ねて
ここまで流れをご説明してきましたが、いよいよ実際に刺繍をしている職人の現場を覗いて見ましょう。
訪れたのは93歳の刺繍職人であるハージさんの工房兼ご自宅。
子供の頃に家計を支えるため始めたという刺繍の仕事。
すでに職人歴100年だよと笑って冗談を言うハージさんです。
すごい職人に会わせてやる!と言われて連れて行ってもらったものの、最初会った時はこんなおじいちゃんが刺繍できるのかな?
と不安になりました。
内心大丈夫???と思いましたが
手元を見てびっくり。
(是非写真を拡大して見てください!)
ハージさんごめなさい。
もう何千枚と手刺繍ストールを見てきていますが非常に丁寧で、紹介してくれたインド人がマスターだと何度も言っていたのが納得できました。
見てくださいこの刺繍。
ため息が出ます。
小さい小花、一本の茎からピンク、パープル、オレンジの花びらが繊細に刺繍されています。
この時ハージさんは細い針にブルーの糸を通してお花のめしべの部分を仕上げていました。
先ほど紹介した木版の跡も見えますが、一つ一つ糸の色を変えて、大きなショールに針を通していく。
気が遠くなるような、仕事です。
代々受け継がれた伝統を守り、長い時間をかけて丁寧に仕上げていく。
口数は少なくてもその仕事からハージさんの人柄が伝わってきます。
最近は後継者不足で更に希少になってきているニードル刺繍。
こんな素晴らしい職人が時間をかけて丁寧に施した1枚は言わずとも貴重です。
実はハージさん家族は奥さんがカシミヤの原毛から糸にする職人で、息子さんはカシミール絨毯の職人とカシミールの伝統技術を継承する一家。
優しい表情からもどんな仕事をする人たちなのか伝わります。
今回はハージさんを紹介しましたが、カシミールのどの職人さんを訪ねてもせかせかしながら刺繍をしている人はいません。
刺繍を始めると陽の光で手元を照らしながら一言も話さずに一本一本糸を通していく。
その集中力は本当にすごいなと何度彼らの仕事を見ても感じます。
実際大きくカシミール刺繍と言っても、手仕事で作っているので職人によって丁寧さや、細かさが異なります。
本当に高度な刺繍職人を探すのは現地でも困難です。
だからこそ、素晴らしい手刺繍ストールとの出会いはまさに一期一会。
その手仕事に出会った時には言葉にできないような衝動を体に感じます。
原毛作りから、刺繍までどれだけのプロフェッショナル達が携わって一枚が仕上がるのか、正直僕たちでも全てを追うことができないほど、たくさんの人たちが関わっているのがこの手刺繍カシミヤストールです。
まとめ
いかがでしたか?
手刺繍ストールがどのような環境で、そしてどのように作られているのか知って頂けたでしょうか?
ファストファッションが広がり、世界中で同じ服が買える今の時代。
こんな手間のかかる手仕事が残っているということだけでも文化的な価値がこの刺繍にはあります。
服飾は文化。
現代人が忘れ始めていることを彼らは再確認させてくれる、それほど素晴らしい手仕事です。
それでは最後にこれまでNatural Loungeで実際に買付けた最高級のカシミヤ手刺繍ストールを、カシミールの風景と共にご紹介してこの記事を締めたいと思います。
是非今日紹介させて頂いた工程を思い出しながらご覧ください。
Natural Lounge手刺繍カシミヤコレクション
まず初めはオフホワイトベースのカシミヤ生地に、ライトブルーやラベンダー色の糸で刺繍された1枚。
透明感があり、カシミールの冬の景色を連想させるような素晴らしい手仕事。
こちらは裏地を撮影したものです。
どちらが表かわからない程丁寧な仕事がされています。
職人が一枚のショールに命を吹き込む。
見れば見るほど魅力を感じる1枚です。
カシミール刺繍職人の多くは郊外の村に暮らしています。
冬が終わり春になるとその村の周りは菜の花に囲まれます。
こちらはグレイベースの生地に刺繍が施された1枚です。
品のあるグレイにブロンズ色の糸でシックに仕上げた上品な一品。
まさに洗練を極めたラグジュアリーショールです。
窓から差し込む陽の光で手元を照らしながら、彼らは刺繍を施していきます。
この姿は何百年も昔から変わることがありません。
続いては全体に高度な刺繍が施された最高品質のカシミヤ刺繍ストール。
刺繍の美しさ、繊細さ、密度、どれをとっても最上級の一枚です。
匠の技が結集した超一流の職人達による精巧な手刺繍はまさに芸術品。
これほどの刺繍はそうそうお目にかかれません。
カシミールの中心にはダル湖と呼ばれる大きな湖があります。
インド中の人々がこの美しい湖に憧れ、カシミールを訪れます。
そして最後の1枚は自然の息吹を感じさせるこの優しいストール。
刺繍によって印象が大きく変わる。
職人の人柄まで感じられる1枚です。
カシミールの人々は代々大自然からインスピレーションを受けながら伝統を受け継いできました。
昔から変わらない景色。
何百年も昔の人々が見た景色が今でも見ることができる。
彼らの歴史、文化、生活の全てが詰まった結集こそが、インド・カシミールに伝わる伝統の手刺繍カシミヤストールだと私たちは思います。
<完>
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いかがですか?
完成したショールを見てもため息が出ますが、改めてどんな場所で、そしてどんな人たちがどの様に生産をしているのか知ると見え方が変わります。
あなたにもこんな伝統の手仕事があるんだと知って頂ければ嬉しいです。
最後まで目を通して頂きありがとうございました。
それでは今日も一日頑張りましょう!
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Profile
Moto
1983年長野県生まれ。木曽在住。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
Natural Lounge副代表、バイヤー。
気がつけばストールの奥深さに魅了され、世界中のストールを探している。
様々な国のストールを扱う中で、誰が、どんな場所で、どのように作っているのか、
現地訪問し生産者と直接対話して買付をするのがモットー。
特にインド人、イタリア人との相性は抜群。
趣味は地元である木曽で、キノコ採りや山菜採り、渓流釣りをして四季を満喫すること。
20代、30代と海外の様々な場所を訪れた経験から、今は地元に魅力を感じ地域の活動にも力を入れている。
あなたがつい”クスッ”と笑ってリラックスできるようなブログをお届けしたいと思っています。
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10年以上前の記事
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いつも楽しく拝読しております。
細部まで見ると、ほんとうに見事ですね!
ゆったりと時間が流れるなかで作られた刺繍ストールは、
眺めているだけでも時間を忘れてしまいそうです。
ところで、手元に一枚だけカシミヤ刺繍ストールがあり、
ストールの端に職人さんの名前が刺繍されていました。
こんなふうにサインを入れるのって、
カシミヤ刺繍ストールでは一般的なのでしょうか?
ちなみに、ウールの細密刺繍ストールには
サインがありませんでした。
いつもブログに見ていただきありがとうございます!
カシミヤ手刺繍ストールをお持ちなんですね♪
本当に眺めているだけでも癒されますよね。
さて、ご質問頂いたサインについてですが、サインには大きく分けて2つあると僕たちは認識しています。
一つは職人。そしてもう一つは工房のサイン。
まずなぜサインが入っているかというと、もちろんこの職人が刺繍をしたという証拠でもあり、またこの工房のものだという印です。
(僕たちも現地で様々な手刺繍ストールを見ますが、たまに何もサインがないものもあります)
そして今回ブログには書いていませんが、現地では最終の仕上げ工程で洗いとプレスがあります。
この工程は現地では専門の業者さんが行なっている事が多く、たくさんの職人や工房のストールがその業者さんに集まります。
その際、どのストールが誰のものかを区別するためにサインが入っているということを、僕たちも実際に現地で教えてもらいました。
あくまで入っている、入っていないに限らず、良いものは良いのでそこはあまり気にしなくて良いのかなと現時点では思っています。
良い質問ありがとうございました!
Moto