- 2017/08/21
- writer: 山崎拓
限界
最近、素晴らしい本を読みました。
個人的には今まで読んだ本の中でもトップ10位には間違いなく入るであろう本です。
内容はかなりマニアックなので人によって評価が大きく分かれるとは思いますが、僕としてはすべての人に読んでもらいたいなーという感じ。
(今日のメルマガも少し長いですが、ぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです)
特に、教師や監督、コーチなど、誰かに何かを教える立場の人や、お医者さん、音楽をやっている人、技術思考の非常に高い人、子育てをしている親、一つの分野を極めたいと思っている人にはオススメです!
使い方によって仕事や家庭、子育てなどあらゆる分野に応用できますし、今までの一般常識というか、一般的に受け入れられてきた概念を覆すようなことが、理論的に科学的に証明されています。
僕は知的好奇心がきっと人よりも高いのだとは思いますが、こういう内容を見ると読まずにはいられないんですね 笑
特にテーマが面白い。
「超一流になるには才能か努力か?」
あなたはこのフレーズを見てどう思いますか?
この時点で人によって結構意見が分かれると思います。
(ちなみに超一流というのは世界一とか、ギネスに載るくらいその分野で一番になるようなエキスパートという意味です)
ある人は、超一流になれる人は生まれながらにして才能があったんだろうと考えるでしょうし、またある人は努力によって一流になれると思う、と答えるかもしれません。
あなたがどちらの意見かは分かりませんが、きっと多くの人が前者を選ぶのではないでしょうか?
超一流になるには生まれながらの才能が必要だ、と。
これは多くの人が一般的に抱いている社会的な通念だとも思います。
でも、本当にそれは正しいのでしょうか?
個人的には多くの人がこの考えに行き着くのには、そう考えれば自分に対して言い訳ができるからだと思います。何か上手くいかないことがあったり、失敗してしまった時、自分が才能がなかったんだから仕方ない、と。
でも、もし生まれながらの才能は何かを成し遂げるには関係ないとしたら・・・
やるしかないですよね 笑
この本には、超一流になることと生まれながらの才能には相関関係がないことがさまざまなデータと共に提示されています。この本の著者であるアンダース・エリクソンはこの分野の権威中の権威で、30年以上もこの分野の研究をしてきました。
(アンダース・エリクソンの研究結果は他の多くの著名な書籍にも引用されまくっています)
今日はその本の一節をご紹介します。
※書籍「PAEK」より抜粋
ーーーーーーーーーー
古代より、特定の分野における個人の潜在能力は、必然的に、また不可避的に、生まれ持った才能によって決まってしまうものだと考えられてきた。
ピアノを習う人は多いが、真に優れたピアニストや作曲家になれるのは特別な才能を持った人だけである。どの子も学校で算数を学ぶが、数学者や物理学者や技術者になるのに必要な能力を持ち合わせているのはごくわずかだ、と。
こうした見方に立つと、われわれは音楽の才能、数学の才能、スポーツの才能、ビジネスの才能など、色々な潜在能力を決まった量だけ持って生まれてくるのであり、どれを伸ばすか(伸ばさないか)を選択することはできるが、どの「カップ」もへりまでしか満たすことはできない、ということになる。
そう考えると教育や訓練の目的は、その人が潜在能力の上限に達する、すなわちカップをできるだけ満杯にするのを助けることとなり、限界があらかじめ決まっているという想定に基づく学習方法が採られるようになる。
だが今では、能力の既定量など存在しないことが分かっている。
脳には適応性があり、さまざまな能力はあらかじめ存在していなかったとしても訓練によって生み出すことができるのだ。
これは従来の常識を覆した。
なぜなら、今や学習は人々が生まれ持った能力をうまく使えるように導くためのものではなく、新たな能力を生み出す手段となったからだ。
この新たな世界においては、人間の潜在能力という貯水池は、生まれつき容量が決まっているという考えは成り立たなくなった。
そうではなく、潜在能力という水瓶は、われわれが人生を通じて何をするかによって形が変わり、いくらでも容量を増やしていくことができる。
学習は自らの潜在能力を引き出す手段ではなく、むしろ新たに創り出す手段なのだ。
われわれは自らの潜在能力を生み出すことができる。
あなたの目標がコンサート・ピアニストになることなのか、趣味としてピアノをたしなむことなのか、あるいはゴルフのPGAツアーに参加することなのか、ハンディキャップをいくつか下げたいのかにかかわりなく、そう考えて間違いない。
われわれには想像をはるかに超えるような、自らの人生をコントロールする力が備わっているということだ。
ーーーーーーーーーー
高齢になっても脳は進化し続ける
さらに嬉しいことに、脳の適用性は成人になっても、たとえ高齢になっても、適切な訓練によってさまざまな新たな能力を身につけることができる、ということが書かれています。
例えば、69歳で空手を習い始め、黒帯を取ることを目標にしているおばあちゃんの話などもあります。そのおばあちゃんはすでに緑帯を取得し、次は青帯を目指しているそうです。70代にして黒帯という目標までの道のりの半分は超えていて、怪我さえなければ80歳までに目標達成できる見通しです。
また、ゴルフなどまったくやったことのない30歳の男性(しかも30歳になるまで、スポーツと名のつくものに真面目に取り組んだことは一度もなかったそう)がプロゴルファーを目指す話などもあったり。
つまり、脳の適応性というものは驚くほど高く、適切な訓練によってどんどん成長していくということです。
これは僕はもちろん、多くの人にとって嬉しいニュースではないでしょうか?
自分の選択次第で、何歳になっても潜在能力を生み出すことができ、自分が望めば訓練次第でその道の超一流になれるわけです。
先ほど抜粋した部分は割と本の冒頭部分なのですが、そこを読んで一気に引き込まれました 笑
この本には具体的にどういった努力、訓練をすれば超一流になれるのか?という内容も具体的に載っています。
(もちろん、超一流になるには適切な目標設定やフィードバックをくれるメンターの存在、長期間に渡る努力と厳しい訓練が必要になります)
もし、より詳しく知りたいという方は本を取り寄せてみてください。
きっとあなたの人生にとって貴重な一冊になると思います。
書籍は「PEAK」。著者はアンダース・エリクソンです。
最後にもう一節。この本は誰のためにあるのか?ということを著者自身が語っています。
ーーーーーー
絵の描き方、コンピューター・コードの書き方、ジャグリングやサクソフォーンの演奏、アメリカ文化を象徴する小説の書き方を学びたいという人。
ポーカーやソフトボールが上手くなりたい、営業成績を伸ばしたい、歌が上手くなりたいという人。
人生を主体的に選び、才能を自分で作り出し、今の自分が限界だという考えに与しないすべての人のためにある。
本書はそんな人のために書いている。
ーーーーーー
いずれにしても、何歳になろうと望みさえすればあなたの成長に限界はない!
ということ。
それでは今日も1日ベストを尽くしていきましょう!
PS.
冒頭でもお話ししましたが、特に教師や監督、コーチなど、誰かに何かを教える立場の人や、お医者さん、音楽をやっている人、技術思考の高い人、一つの分野を極めたいと思っている人はmastReadです 笑
あと、子供の教育に関わる方も必読です。
この本を読んで、子供達の夢や目標を一緒に応援してあげてください^^
コメント
「限界」への2件のフィードバック
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Profile
山崎拓
1982年長野県生まれ。安曇野市在住。
Natural Lounge代表、ストールコンシェルジュ。
3児の父。
天然繊維100%ストールが大好きでほぼ一年中巻いている。
趣味が仕事で、休みより仕事をしているほうが楽しく落ち着くという仕事大好き人間。
情熱がある分野はビジネスや健康、教育関連。
好きなことは読書、Mr.Childrenの音楽鑑賞、家族サービス、旅行。
肌に直接身につけるものはもちろん、食べ物や生活スタイル全般を出来るだけ健康的で自然に沿ったものにできるよう日々自分自身でも様々なことを試し、顧客にもその効用を伝えている。
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3児の父。
天然繊維100%ストールが大好きでほぼ一年中巻いている。
趣味が仕事で、休みより仕事をしているほうが楽しく落ち着くという仕事大好き人間。
情熱がある分野はビジネスや健康、教育関連。
好きなことは読書、Mr.Childrenの音楽鑑賞、家族サービス、旅行。
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10年以上前の記事
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超一流だと思う人は誰か?と聞かれたら、誰と答えますか?
私は「イチロー選手」を最初に思いついきました。
イチロー選手の努力は尋常ではないようなので、
天才か努力か?との問いについては、尋常じゃない努力!と答えると思います。
私もお勧めされる職業に近いことをしているので、取り寄せて読んでみます。
Y.K
Y.Kさん
コメントありがとうございます!
僕もY.Kさんと同じく、イチロー選手が初めに出てきます^^
イチロー選手のような日本人がいると本当に励みになるし、自分ももっと頑張らねければ!と思わされますよね。
他にすぐに思い浮かぶのは・・・
僕は昔バスケットをしていたのでマイケル・ジョーダンも超一流だと思っています。
音楽関係ではMr.Childrenの桜井和寿さん。
作家だとベンジャミン・フランクリン。
実業家では、ウォーレン・バフェット・・・など。
この人たちは一見天才のように見えますが、全員ものすごい努力を積み重ねていると思います。
ぜひ本も読んでみてください!
きっとY.Kさんの仕事にも活きてくると思います^^
いつもありがとうございます。
山崎