- 2023/05/21
- writer: 山崎拓
幸せの正体
今日は久しぶりに本のご紹介をさせていただきます。
最近このメルマガを読み始めてくださっている方は「えっ?ストール屋なのに本の紹介をするの?」と思うかもしれませんが 笑
実はストールに負けないくらい本に対する情熱もあるんです。
今までも色々なジャンルの本についてご紹介させていただいてきましたが、意外とこのシリーズもお客さんからは好評なんです♪
僕がちょっと変わっているということもありますが、なかなか一般的ではない書籍も紹介させていただくこともあるので、新しい気づきやパラダイムシフトが起こる可能性もちょっとはあると思います 笑
でも今日はわりとどんな人でも興味があって全ての人にとって役立つ本をご紹介させていただければと思います。
というのも、今日のテーマは「幸せ」や「幸福」。
いきなりフワッとした抽象的な話になってしまいますが 笑
でも、きっと誰でもなれるなら幸せになりたいし、幸福を感じる人生を過ごすことができればいいと思っているはずですよね。
僕ももちろん、どうせなら幸せになりたいです 笑
一方で幸せってめちゃくちゃ抽象的だし、幸せや幸福の定義なんて人によって変わるんだから答えなんてない、と思う人もいると思います。
でも最近はこの幸せや幸福ということに対して科学的な研究がどんどん進んでいて、かなり言語化できるようになっているというのも見逃せない事実。
感覚だけでは理解できないことも言語化できるようになるとそれが見えるようになって、どうやったら幸せになれるか?ということを行動レベルまで落とし込むことができます。
なので、どんな概念でもそうですが、深く理解するということは本当に大事。
そんな超抽象的な幸せや幸福という概念をとてもわかりやすく、理解でき、行動でき、さらに習慣化までできるよう書かれているのが今日ご紹介する本なんです。
僕もこの本を読んでから、より普段の生活における自分の行動と幸せや幸福がどう結びついているか?ということをより意識するようになりました。
きっとあなたにとっても役立つことがたくさんあると思うので、今日は本の中でも特に重要な部分についてシェアさせていただきます。
THE THREE HAPPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福 樺沢紫苑著より転載
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『幸福の正体』
「幸福になる方法」をお伝えするには、まず「幸福とは何か?」について定義する必要があります。
これが非常に厄介で、古来、アリストテレスやソクラテスのギリシャ時代から、2000年以上にわたって論じられた重要な問題です。
「幸福とは何か?」について論じるだけで一冊の本になってしまうかもしれません。
しかし、私は哲学者でも、社会学者でもなく、精神科医です。そして、脳科学研究も10年以上やっていました。ですから、私が論じるのはありきたりの「幸福論」ではなく、精神医学、脳科学に基づいた「実用のための幸福」になります。
正直、私は難しく考えるのが苦手です。
だからシンプルに考える。
幸福というものをもっとシンプルに考えられないのか?
ある日、思いました。
私たちが「幸せ」と感じるとき、脳の中ではどのような反応が起きているのだろう?
そして、具体的にどのような「脳内物質」が分泌されているのだろう?
調べてみると、私たちが「幸せ」を感じるときには、ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、エンドルフィン、アドレナリン、ノルアドレナリン、GABAなど、などなんと100種類以上の幸福物質が出ているのです。
ドーパミンは、お金や成功、達成の幸せ。
セロトニンは、安らぎ、気分の安定の幸せ。
オキシトシンは愛、つながりの幸せ。
エンドルフィンは、ランナーズハイに代表される限界状況に陥ったときに出る多幸感の物質。
アドレナリン、ノルアドレナリンは、興奮、不安、恐怖。
例えばジェットコースターに乗ったとき、あるいは、テレビで格闘技の試合を見た時のエキサイティング、スリリングな快感と関係しています。
脳内物質の本を片っ端から読んでいくと、私たちの日常的な幸福感を構成する主たる幸福物質として「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」の3つが特に注目されています。
ドーパミンが出ていると、心臓がドキドキするような高揚感が出ます。
セロトニンが出ていると、人やペットなどとの「つながり」「愛情」、あるいは赤ちゃんを抱っこしているときの愛に包まれた幸福感が出ます。
さあここで、有史以来、多くの人が頭を悩ませてきた「幸福とは何か」の問いに
本書ではたったの10秒で答えを出してしまいましょう。
ドーパミン、セロトニン、オキシトシンが十分に分泌されている状態で、私たちは「幸福」を感じる。
つまり、脳内で幸福物質が出た状態が幸せであり、幸福物質を出す条件というのが「幸せになる方法」であるといえます。
ドーパミン、セロトニン、オキシトシンが、それぞれどういった条件、状態、行動、アクションで分泌されるのかわかれば、私たちは幸福を感じることができるのです。
『幸福の三原色』
私たちは、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンという「3つの幸福物質」が存在するということを知りました。
これは幸福について考える「強力な武器」になります。
赤、緑、青は光の三原色。この3つの色で光が構成されています。
同様に、幸福というものについて、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンという3つの幸福物質をベースに考えることはできないでしょうか?
つまり、私たちが普段感じる「幸福」は、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福に分類できるだろうということです。
セロトニン的幸福とは、一言で言うと、健康の幸福。
心と体の健康です。
オキシトシン的幸福とは、つながりや愛の幸福。
友情、人間関係、コミニュティーへの所属などの幸福です。
ドーパミン的幸福とは、お金、成功、達成、富、名誉、地位などの幸福です。
「あなたにとって幸福とはなんですか?」と質問した場合、この3つの幸福のどれかを答える人がほとんどのはずです。
自分の一番の幸福は「ジェットコースターに乗っている時」(アドレナリンによる幸福)や「マラソンでハイになる瞬間」(エンドルフィンによる幸福)と答える人は普通はいないでしょう。
私たちにとっての、一般的な幸福のイメージ。
そして私たちがめざし、求める幸福とは、ほとんどの場合、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福のどれかに含まれると考えられます。
幸福には3つある。
それはセロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福の3つである。
ではこれをどのような順番で、あるいはどのように組み合わせていけば幸せになれるのか?
以下、考察を進めていきます。
『幸福には優先順位がある。「幸せの三段階理論」』
「この優先順位を間違うと不幸になる」
「健康」「つながり」「お金、成功」。
その全てが手に入ればいいな、とあなたも思ったはずです。
しかし、「3つの幸福」の全てを手に入れている人は非常に少ない。
なぜでしょう?
それは、「3つの幸福」を得るためには、「優先順位」があるから。
そして、ほとんどの人はその優先順位を間違えているから、幸せになれないのです。
ズバリ結論から言いましょう。
セロトニン的幸福→オキシトシン的幸福→ドーパミン的幸福の順番。
これが正解です。
ドーパミン的幸福は一番最後です。
この順番を間違えると、幸福になるどころか、むしろ思いっきり不幸になる可能性がありますし、私はそうなった人を山ほど見ています。
何千人ものメンタル疾患の患者さんを観察して思います。
メンタル疾患の患者さんは、非常に真面目で勤勉です。
風邪をひいたくらいでは有給休暇を取らずに、無理してでも出社するタイプ。
残業が続いても不満を言わず、とにかく必死で頑張る。
メンタルが不調になっても頑張る。
うつ的な症状が出ているのに、それでも頑張る。
精神科を受診して「中等症以上のうつ病と診断されるので、2週間自宅療養してください」と言われても、「自分がいなければ、今のプロジェクトは進まない。仕事は休めません」と言います。
よくいえば「真面目」「勤勉」「頑張り屋」「仕事熱心」、悪くいえば「不器用」「融通が効かない」「柔軟性がない」ということ。
自分の健康を犠牲にしても、仕事を頑張ろうとするのです。
よく「自殺するくらいなら仕事をやめればいいのに」と言われますが、うつ病と診断されても仕事を休めない人が、さらに症状が悪化して、判断力が鈍った段階で、仕事を休んだり、仕事を辞めたりできるはずがないのです。
『「成功」を「健康」より重視すると・・・』
自分の健康を害して、なぜそこまで頑張るのだろう?
もっと健康を大切にし、睡眠や運動の時間をしっかりとって、盤石な「健康」を築いてこそ、最高のパフォーマンスを発揮できるのに。そして仕事でも認められ、職場でも信頼される人になれるのに。
そこで私は気づきました。
セロトニン的幸福を蔑ろにして、ドーパミン的幸福を目指すとメンタル疾患や身体疾患に陥るのだと。
幸福になるどころか不幸になってしまうのだと。
私は「頑張る」という言葉が大嫌いです。
必死で頑張る人ほど、メンタル疾患になるから。
『頑張らなければ病気は治る』という本を出しているほどです。
その本には頑張る人ほど病気になりやすく、病気を治そうと頑張ろうとする人ほど病気は治らない、頑張るのをやめること、病気を治そうという執念を取り払い、病気を受け入れると、一気に病気は改善していく、と書かれています。
それから6年たった今、若干考え方が変わっています。
「頑張る」ことが100%悪いわけではない。
「健康」をないがしろにして「頑張る」ので病気になるのです。
「健康」に留意し、セロトニン的幸福を達成しながら、緩急をつけて頑張る。
そうすれば簡単には病気になりません。
単に病気にならないというだけではなく、脳や体のパフォーマンスが今まで以上にアップできれば、圧倒的に大きな結果、仕事の成功やお金、地位、社会的信頼、名声などドーパミン的幸福を得られるのです。
「あきらめないで頑張ろう」「必死に頑張ればなんとなる」といった「根性論」に支配されている人が非常に多いと思います。
学校教育の影響なのでしょうか。「頑張れば成功できるんだ!」と信じている。
睡眠を削って必死にハードワークする。
そんな人がメンタル疾患になり、中年期になると生活習慣病となり、あまりに頑張りすぎると40代後半から50代の若さで「突然死」する人までいるのです。
「頑張る」には「健康」という基盤が絶対に、絶対に必要なのです。
セロトニン的幸福が先。
ドーパミン的幸福が後。
「健康(セロトニン的幸福)を優先して頑張る人が、最後の本当の成功、豊かさを手に入れることができるのです。
『「成功」を「つながり」よりも重視すると・・・』
今度は、毎日残業続きの仕事人間について考えてみましょう。
夫婦、家族で一緒に食事をする時間もなかなかとれない。
さらに家族(妻子)に対するケアがほとんどないとしたならば、妻から離婚されたり、子供が不登校や引きこもりになったり、非行に走ったりすることもあるでしょう。
「家族のつながり」を軽視して、仕事で頑張りすぎると、ろくなことになりません。
どれだけ仕事で成功しても、妻に離婚され、子供からも毛嫌いされてしまっては、「幸せ」とは言えません。
つまり、「つながり」と「成功」では「つながり」が先で、「成功」が後。
「つながり」「人間関係」を無視して、成功を目指して我武者羅に努力しても、その先には「幸せ」は待っていない。
オキシトシン的幸福が先で、ドーパミン的幸福は後なのです。
『「健康」こそ全ての基礎』
優先すべき順番がだんだんとはっきりしてきました。
では、次に「つながり」と「健康」ではどうでしょう?
あなたは仕事も順調で「家族と一緒に幸せな生活」をしていたとしても、ある日突然、「がん」が宣告されたとしたらどうでしょう。
それでも「最高に幸せ」と言えますか?
言えませんね。
自分の健康があってこその「つながり」です。
あるいはあなたのお子さんに「難病」が見つかったとしたら?
毎日、そのことで頭がいっぱいになります。
幸せな毎日が「不安」と「心配」に包まれた毎日に一変するのです。
「健康が大切」という場合、「自分の健康」も大切ですが、「家族の健康」もなければ幸せにはなれません。
メンタル疾患の患者さんに「家に閉じこもってばかりいないで、たまには友達とお茶にも行ったらどうですか?」と言うと「こんなに調子が悪いのに人と会えるはずがはい!」と厳しい口調で反論されます。
メンタル疾患になると「友達と会って30分話す」と言う、当たり前のコミニュケーションすら困難になります。
あるいはメンタル疾患になると「沈没間近の船からネズミがいなくなる」かのように以前からの友人がサーといなくなるのです。
セロトニン的幸福を失うと、連鎖的にオキシトシン的幸福も失います。
夫婦、パートナー、親子の愛情。
友人、仲間との繋がり。
全て、あなたの「健康」があってこそ成立します。
つまり、「健康」が先で「つながり」が後。
セロトニン的が先でオキシトシンが後なのです。
『幸せの三段階理論』
これで幸福な人生にアプローチするための手順が明らかになりました。
セロトニンが先、ドーパミンが後。
セロトニンが先、オキシトシンが後。
オキシトシンが先、ドーパミンが後。
「セロトニン→オキシトシン→ドーパミン」の順番に積み上げていかなければならないということです。
セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は、建築における「基礎」と「土台」と考えるとわかりやすいでしょう。
「基礎」がしっかりしていないと、高い建物は立ちません。高層ビルを建てる場合は、数十メートルの鉄骨を埋め込むと言います。
基礎がしっかりとしていれば、高い建物が建つ。
セロトニン・オキシトシン的幸福の「幸福の基礎」がしっかりと固まっていれば、その上にドーパミン的幸福は、高層ビルのようにいくらでも積み上げて行くことができます。
セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福を盤石にして、ドーパミン的幸福を積み上げていく。
結果として、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福の3つの幸福全てを手に入れることができる。
これが「幸せの三段階理論」です。
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いかがでしょうか?
健康第一、健康が大事ということはもう昔からずっと言われることですが、脳内物質の観点からもこれは間違いないことがよくわかります。
またこの本ではありませんが、「成功するから幸せになるのはなく、幸せな人だから成功する」というのもよく言われますが、これもセロトニン、オキシトシン、ドーパミンのことを理解するとより一層腑に落ちます。
幸福や幸せというボヤッとした抽象的な概念を言語化できるようになると日々の生活の中で意識して取り組むことで、より毎日の幸福度を上げることができるようになると思います。
本にはこれらそれぞれの脳内物質を効果的に分泌させる方法も行動レベルで具体的に書かれています。
こちらもとても参考になるのでより深く学んでみたいという方はぜひ本も手に取ってみてくださいね!
少し長くなってしまいましたが、今日の話もあなたにとって少しでも役立てば嬉しいです♪
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