『 ほつれたフリンジの直すにはどうすればいいの? 』


ストールを使っている方から耳にする悩みの一つです。


ひとえに「フリンジ」と言っても種類があり、
いくつかの種類に分けられます。

・束ねて編んであるもの
・ボンボンなどの飾りをつけているもの
・断ち切りのもの


その中でも、
断ち切りフリンジのほつれの処理をどうすればいいのか?
というお悩みを聞きます。


使っているうちに先端から横糸が飛び出してきてしまって…
という経験はありませんか?


あなたも過去に経験したことがあるかもしれないですし、
もしかしたら、今、悩んでいることかもしれません。


束ねて編んであるタイプや
飾りを縫い付けてあるタイプのフリンジは簡単にほつれません。

ですが、
断ち切り処理のフリンジはその構造上、
ほつれるものがあります。




そこで今回は、
フリンジの先端から横糸が飛び出してしまったときの
処理のしかた
をお話しします。


事前に用意するものは、
「糸切りばさみ」だけです。
(切れ味のいい普通のはさみで代用もできます)

how-to-tidy-fringe02



このように横糸が抜けてきているストールがあります。

how-to-tidy-fringe01



抜けてきている糸の左右どちらかの一番端を持ちます。
(写真は左端です)

how-to-tidy-fringe03



端の部分で横糸をカットします。
もし、
1本抜けてきているなら1本のみをカットします。
2本抜けてきているなら2本をカットします。
(今回は2本カットしています)

how-to-tidy-fringe04

how-to-tidy-fringe05



次に、反対の一番端を持ちます。
(写真は右端です)

先ほどと同じように、
端の部分で横糸をカットします。

how-to-tidy-fringe07



両端をカットし終えたら、
今度はその糸を引き抜きます。

一番端を持って、
飛び出している横糸を優しく引き抜きます。
スーッと抜けてくるのがわかると思います。

how-to-tidy-fringe08

how-to-tidy-fringe09



反対側も同じように引き抜くと
綺麗に横糸を取り去ることができます。

how-to-tidy-fringe10



これだけで完成です。

how-to-tidy-fringe11




よくある質問に対しても具体的にお話ししておきます。



Q.横糸を抜いてしまっていいの?



問題ありません。
実際の制作過程でも横糸を抜いています。

生地を裁断したあと、
フリンジの仕上げ方法に合わせた必要な長さを
確保するために横糸を引き抜きます。

一般的な制作の中でも行われていますし、
問題になることはありませんのでご安心ください。



Q.物によってほつれやすいものとそうでないものがあるように感じるのだけど?



その通りです。
主にこれらに起因しています。

1)糸そのものの滑りやすさ
2)織り方や撚り具合による糸の自由度
3)縦糸と横糸の素材の組み合わせ



1)糸そのものの滑りやすさ

糸表面の抵抗が大きいか小さいかで変わってきます。

さらっとした肌触りの良いシルク素材は滑りがとても良いです。
その分、糸同士も動きやすいので
比較的抜けやすくなります。

ウール素材はスケールと呼ばれるうろこ状のものがあったり、
ねじれやうねりがあったりするため
繊維同士の絡みつきも生まれやすいです。


一般的に、シルク、コットンシルクは滑りが良く、
ウールは繊維同士が引っかかるので抜けにくくなります。

コットンやリネンは中間に位置します。



●それぞれの素材の特徴を知りたい場合は こちら



2)織り方や撚り具合による糸の自由度

糸を織って生地にすると密度の違いが出てきます。

密度が高く織られているものと
密度が低く織られているものを比較すると、
密度が低いほうが糸の自由度(糸の動き)があります。

そのため、比較的抜けやすくなります。


例えば、夏場のリネン素材のものは、
暖かい季節向けに密度を低くしていたりします。


また、糸自身の撚りをきつくしてあるほうが
繊維同士の絡みが少なくなり、抵抗が小さくなるるので
比較的抜けやすいと言えます。



3)縦糸と横糸の素材の組み合わせ

横糸のほつれは、縦糸に沿って抜けてきます。

そのため、混紡の場合、
縦糸に滑りやすい素材を使っていると
横糸が動きやすくなります。




Q.いつまでも抜けてきてしまうの?


繰り返し使っているうちに抜けにくくなってきます。


使っていると、撚られている糸が少しずつ緩んできて
繊維が広がってきます。

糸同士の自由度が少なくなったり、
繊維によって糸と糸の絡みつきが生まれたりします。

フリンジ部分の糸が広がることで抜け防止になったり、
先端までの距離が長くなって抵抗が大きくなったりもするからです。


ただし、100%抜けてこないとは言えませんので
ほつれの処理をしてあげてくださいね。




いかがでしょうか?


ナチュラルな仕上がりになる断ち切りフリンジ。

時々フリンジを整えながら
あなたのストールファッションを気持ち良く楽しんでみてくださいね。



●他にもストールのお手入れ方法を見てみる
こちらからご覧ください。



●いろいろな種類のストールを見てみる
こちらからご覧ください。



コンテンツの全部または一部の無断転載を禁止します。Copyright(c)Natural Lounge All Rights Reseved. 

バナー

CLOSE

CATEGORY