「ジャカード織りのストールを引っ掛けてしまい、糸が飛び出てしまいました。この場合、どうやって糸を処理すればいいでしょうか?」
お客さんからたまにいただく質問です。
ジャカード織りという複雑な織り柄のストールは表面にわずかな凹凸があるため、デザイン性が高い反面、突起物に糸が引っかってしまうことがあります。
例えば、巻いたり外したりするときであればネックレスに引っ掛けてしまったり、ドレスのスパンコールに引っ掛けてしまったり・・・
あるいはバッグの出し入れの時にジッパーに引っ掛けてしまったり。
冬場に手が荒れている時などは指の皮膚やささくれにひっかかってしまうことも、、、
ジャカード織りのストールをお持ちであれば、あなたもこんな経験があるかもしれません。
こんな時、その処理をどうしたらいいかわからない・・・
という方も少なくないと思います。
飛び出てしまった糸をそのままにしておくと、見た目が悪いのはもちろんですが、飛び出てしまった糸がまた他のものに引っかかりやすくなり、二次被害が起こりやすくなります。
なので、誤って引っ掛けてしまった時はそのままにせず、早めに対処をしておきたいところです。
ここではジャカード織りストールを引っ掛けてしまった時の対処法について詳しく解説しています。知ってしまえば誰でも簡単に対処できるので、これで糸を引っ掛けてしまっても心配ありません。ぜひ参考にしてみてください!
糸を引っ掛けてしまったときの対応3ステップ
1.逆方向に軽く引っ張ってあげる
糸が飛び出してしまった方向とは逆方向に両側を優しくつまんで引っ張ります。
こうすると、大抵の場合糸が元の位置に戻るようになります。
(ただし、引っ掛けた時の圧力で糸が伸びてしまった場合は元に戻りません。その場合は無理に引っ張らずにステップ2に進んでください)
ポイントは糸が飛び出ている位置から近い場所から少しずつ遠くに引っ張ってあげることです。最後はそれぞれの端面を軽く引っ張って仕上げます。
ここでの注意点は強く引っ張らないこと。繊維が細いストールによっては強く引っ張ってしまうと糸が寄ってしまう恐れがありますので注意してください。
2.処理しきれない糸はカットする
左右に引っ張っても元に戻らないときは飛び出ている糸を糸切りバサミで丁寧にカットしてあげます。
(糸切りバサミが用意できない場合は普通のハサミでも大丈夫です)
この時のポイントはできるだけ飛び出てしまってる糸の根元からカットしてあげることです。
ジャカード織りは横糸縦糸が複雑に折り重なっているので、糸をカットしてしまってもそこからほつれてくることはありません。
むしろ糸が出たままにしてしまっていると、またその箇所を引っ掛けてしまう恐れもあるので、早めに処理してあげてください。
3.処理した箇所をアイロンがけする
最後に処理をした箇所に当て布をして裏表の両面からアイロンがけをしてあげます。
こうすることでカットした箇所が馴染み、感性面ではほとんど気にならないレベルになります。
このときの注意点はアイロンを適正温度に設定してあげることです。
アイロンの適正温度は下図を参考にしてみてください。
引っかかりの予防
最後に、引っ掛け予防についてもお話しします。
そもそも引っ掛けることがなければこのような処理は必要ありませんよね。
これはジャカード織りのストールに限った話ではありませんが、ストールはつけたりはずしたり、バッグに入れたり出したりを頻繁にするものなので、どうしても何かの突起物があるとひっかかりやすいという難点があります。
例えば、ネックレスや上着のスパンコール、バッグのジッパー、指のささくれ、爪の凹凸など。
ぶっちゃけこの記事を書いている僕もこれらのものに引っ掛けてしまったことがあります・・・
これらを避けるのが一番の予防策にはなります。
ジャカードストールを身につける時にはネックレスは外す。
スパンコールのあるドレスやトップスには羽織らない。
手や指は乾燥しないようにしっかり保湿をしておく。
爪を切った後は、きれいに処理をしておく。
などなど。
(ただ、これらのことはわかっていてもやってしまう・・・というのが少し難しいところですが^^;)
また、バッグの出し入れでは特に断線しやすいので、不織布の袋に一度入れてからバッグに入れてあげるなどをすると、安心して扱えます。
(ビニール袋は静電気を発生し、繊維が浮きやすくなるので入れないようにしてくださいね)
織物である以上、100%完全に予防することはできませんが、丁寧に扱えばこれらのトラブルを未然に防ぐことができます。
予防についてはストールの消耗しづらい使い方も参考にしてみてください。
ぜひあなたのお手持ちのジャカードストールを長いことご活用くださいね!