日々お客さんと話をしていたり、アンケートなどでも質問されることがあります。

それはストールのお手入れについて。


特に僕らが扱っているストールは天然繊維100%なのでお手入れについては気になる部分だと思います。



素材によってもちろん、お手入れ方法は変わってくるのですが、一般的に一番利用頻度が高いのがドライクリーニングではないでしょうか?




あなたもきっと、カシミヤやシルク、ウールなどの水に強くない素材はドライクリーニングに出すことも多いと思います。



ですが、クリーニング店に出せばすべての汚れが落ちるというわけでもありません。




実はあまり知られてはいませんが、ドライクリーニングでは落とせない汚れもあります。どんなお手入れ方法にも長所と短所がありますから、その部分を知った上で適切なお手入れをしてあげると繊細な天然繊維ストールも長く使うことができます。


また、ストールに限らず、様々な衣類にも同じことが言えます。


そこで今日はドライクリーニングとは何か? ということについて詳しくお話ししたいと思います。 これを知っていただくと、ストールや衣類に対して適切なお手入れができるようになるはずです。





ドライクリーニングとは



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ドライクリーニングは、水で洗うと縮んだり、型崩れしたり、色が落ちたりするようなシルクやウールなどの衣類を、水の代わりに溶剤(衣類洗浄用油など)を使って洗う方法です。

ストールの表面に付いた汚れは主に空気中のすすやほこりですが、人間の体の皮脂や排ガスの油分などと一緒に衣類にくっついているため取りにくくなるわけです。


まずドライ用溶剤でその油状のものを溶かしてしまい、その後に、取れやすくなったススやほこりを機械的な作業で除去してしまいます。

これがドライクリーニングの原理です。


「ドライ」とは「乾燥する」という意味ですが、「湿っていない」「水分がない」という意味もあります。

そのため、ドライクリーニングというのは水を使わないクリーニングという意味を表しています。(溶剤には揮発油のような石油系溶剤や塩素系溶剤、フッ素系溶剤などがあります)




ドライクリーニングの歴史



衣類の水洗いは古代エジプト時代から行われていて、古代ローマ時代には水洗いのクリーニング店が存在したそうです。


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ドライクリーニングの起源は19世紀にさかのぼります。


フランスのある仕立て屋が、たまたまランプ用の油をカーテンの生地にこぼしてしまい、その部分の汚れが取れた上に油も乾燥していたことに気づいたことが始まりだと言われています 笑


そして、1825年にパリ郊外にドライクリーニング店を開業したのを機に、ヨーロッパ全域に広がっていきました。




ドライクリーニング以外の洗い方



クリーニング店が行う水洗いには大きく分けると二種類があります。一つは「ランドリー」で、高温(50〜70度)のお湯で洗う方法です。強いアルカリ性溶剤を使うことが多く、ワイシャツや白衣などを強い機械力(遠心力)で洗います。


もう一つは「ウエットクリーニング」です。ランドリーとは違い、低温度(常温)で主に中性洗剤を使用して最小限の機械力で洗う方法です。


家庭で行うドライマーク用洗剤でのお洗濯は「ウエットクリーニング」と似ています。

ランドリーは丈夫で損傷しにくい衣類が対象なのに対して、ウエットクリーニングはデリケートな素材が対象です。なのでストールの場合はほとんどの素材でウエットクリーニングがオススメです。




ドライクリーニングで落とせる汚れ、落とせない汚れ



ストールや衣類に汚れが付くメカニズムは、まず空中に浮遊する油煙(油)が生地に付着し、その油が接着剤の代わりを果たして空中のすすやほこりがくっつき、汚れの状態になります。


つまり、接着剤の代わりの「油」を落とせば汚れは取れるわけですが、ドライクリーニングでは落とせない汚れもあります。それは水溶性の汚れやシミです。



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例えば、汗の汚れには、塩分のほか、アンモニアやたんぱく質、脂肪などの成分が含まれています。この中でドライクリーニングで落とせる脂肪だけで、その他の成分は水洗いでよく落ちます。(落ちにくい成分を繊維に残したままにしておくと黄ばみなどの原因になります)


つまり、汗をかいてしまった時はドライクリーニングに出しても実はあまり効果はないのです。その場合は、ウエットクリーニングか、汚れた部分を水洗いしてあげる必要があります。


ドライクリーニングは水洗いに比べて繊維への影響は少ないですが、その分洗浄力も少なくなります。


まとめると。


・ドライクリーニングは、油性汚れは落ちるが、水溶性汚れは落ちにくい。
水洗いは、汚れはよく落ちる。ただし油性汚れは落ちない。

・ストールの型崩れ・収縮・脱色は水洗いのほうが大きくなる。

・風合いの変化は水洗いのほうが大きい。





特に天然繊維100%ストールは繊細な素材が多いため、ドライクリーニングと水洗いを上手に使い分ける必要があります。

水洗いについては素材別の洗濯方法で詳しく解説しています。




あなたのお手持ちのストールを長持ちさせるために参考にしていただければと思います。



画像出展:http://uchuronjo.com
http://www.cleaning-every.jp
参考文献:fation


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