インドの人々の生活と繊維産業



インドストールの歴史はインドの繊維産業と人々の生活の歴史の一つです。

そしてインドにおける人々と織物の関係は実際にインドを訪れるとよりはっきりとわかります。
街の至る所に布を売るお店があり、そしてそれを仕立てるお店が軒を連ねます。
布屋で女性が一枚一枚生地を手に取りながら店主と交渉している姿は
インドで良く見かける光景です。
これほど既製品の服ではなく、
生地を販売する布屋が多いのは古くから続くインド特有の服飾文化の一つです。


古くからの文化



16世紀の大航海時代には貿易品として多くのインド織物がヨーロッパに輸出されました。その質の高さにヨーロッパ中に爆発的に広がったといわれるインド織物ですが、歴史は古くインダス文明の頃から現代に至るまで固有の織物文化を代々育んでいます。
当時のヨーロッパの絵にはインド産のショールやストールを羽織った貴族の姿が描かれており、どれだけ貴重なものだったかが現代にも伝えられています。
またあなたもご存知のペイズリー柄もインドのカシミール地方が発祥といわれています。


現代のインド織物



しかしこんなにも古くから愛されてきたインド織物も
インドの歴史とともに様々な道を歩んできました。
古くから独自のテキスタイル文化が築かれ世界中を虜にしたインド織物は、インドが植民地とされた時代や産業革命後の量産機械の登場、
化学繊維の台頭により安価な外国製品の影に追いやられました。

しかし、植民地支配から解放された後は国をあげて繊維産業に力を注ぎ、
今では中国に次ぐ世界第2位の繊維大国になっています。


またファストファッションが市場に多く流通している現代でも
インドにはその伝統的な織物文化が残っています。

日本の明治時代に着物から洋服へと移り変わっていった頃のように、
伝統的な衣装とモダンファッションが融合しています。


そして最近は日本でもナチュラル思考が定着していますが
インドは昔から綿やシルク、麻、羊毛といった天然素材の生産が盛んで
人々は当たり前のように季節に合わせてこれらを使いこなしてきました。
どの素材がどういった特徴をもっているのか
そんなことも彼らは日々の生活から自然に学んでいます。
自分たちが育てた素材を糸にして、布を作り、そして服に仕立てる。
こんな私たち日本人が遠い昔に当たり前にしていた事が
今でもインドには残っています。



世界のファッションに欠かせない存在



さらにインドは大規模な工場生産が当たり前になっている衣料業界の中で、
手仕事による生産が多く残っている貴重な国でもあります。
熟練の職人が手織機や半自動織機を巧みに扱いながら織物を織り、
器用な刺繍職人が織物に細い針を使いながら手で刺繍を施します。

1つ1つがとても時間がかかり忍耐のいる作業ですが
彼らは先祖代々受け継がれる伝統を日々守り
素晴らしい織物を世の中に送り出しています。


このようなインドの織物文化に
ヨーロッパのトップブランドも注目し
現在多くの商品がインドでつくられています。
そうした新しい流れがインド織物のデザインにも大きく影響し、
トラディショナルとモダンが融合した新しい織物がインドで生まれ続けています。


これまでの伝統を引き継いできた職人と
新たな感性を生み出す若者達が生み出す織物は
世界のファッションに欠かせない存在です。



このようにインドの歴史と織物はいつの時代も一緒に歩んできました。
そしてNatural Loungeがあなたに紹介しているストールもその一つです。


<Picture Citation : sufinews>
<写真提供元 : sufinews>


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