ストール素材によって、
洗える or 洗えない、
または洗いやすい or 洗いにくいといったことがあります。
それは、素材そのものの特徴が大きな要因です。

それぞれの素材の特徴は こちら

コットン、リネン、シルク、ウールの天然素材の洗い方についてまとめています。


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自分で洗う場合には、まずは素材を確認してください。
縮みや色落ちが起きないか、
もし起こっても自分の許容できる範囲内かどうかをチェックしながら行うことが大切です。

混紡の場合は、弱い素材に合わせることが必要です。
例えば、
コットンシルクであれば、シルクの方が洗濯に弱い素材なので
シルクに合わせた洗い方をするようにします。


自分で洗うことの利点



自分で洗うことの利点は観察しながら洗えることです。

例えば、
色落ちしてしまうものでも、水につけた瞬間に一気に色が落ちるのではなく徐々に落ちていきます。
ですから、さっと素早く洗って終えたり、洗うのをやめたりできます。

洗濯機で自動洗いにすると、
この変化に気づけずに洗い終えたら全く違う色になってしまったという失敗もありえます。

縮みも同じで、一気に縮むわけではないので
生地が硬くなってきたと感じたらすぐに水から上げると大きなミスを防ぐことができます。

自分で洗えれば、そのものの状態を感じとることができます。
落ちなくなるほどに汚れてしまう前にきれいにすることもできますし、
ほつれや弱くなっているところを見つけることもあります。


濡らすことはよくないとわかれば、
雨の日に使うときは気をつけたり、

洗うことがとても難しいものだとわかっていれば
汚れやすい環境では使わないようにして
他の洗いやすいものを使うこともできます。


適したものがなければアイテムを増やすことで
自分の持っているものの寿命を
全体的に伸ばすことにも繋げることもできます。


ただ、置かれている環境によってできることも変わってきますから
全て自分で洗う、
全てクリーニングに出すということではなく、
自分洗いとプロによるクリーニングをうまく組み合わせていくことをお勧めします。


コットンの洗い方



水に濡れると強度が15〜20%上がるため、洗濯しやすい素材です。

使用洗剤:
弱アルカリ性の合成洗剤、石けんを使います。
※色落ちしやすいものは中性洗剤(オシャレ着洗い洗剤)を使います。


弱アルカリ性の洗剤の例

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中性洗剤の例

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水温:
40度以下


洗い方:
洗濯機で洗うことができます。
ビーズや刺繍のあるもの、色落ちが気になる物などは手洗いにします。

手洗いの場合、洗面台やバケツに水を入れ、洗剤を溶かします。


・洗面台などは綺麗にしておきます。

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・水をためます。

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・粉末タイプの洗剤でもOK。

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・液体洗剤は溶けやすいです。

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・オシャレ着洗いの場合です。布へのダメージを抑えたいと考える人にもオススメです。

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・注ぎ入れてしっかりと溶かします。

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ストールを入れてつかみ洗い(握るように洗う)や押し洗い(押すように洗う)で洗います。


・ストールを入れて水を染み込ませます。

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・少し押したりして内部まで染み渡らせます。

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・掴んだり、握るように洗う、つまみ洗いです。

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・ダメージを極力抑えられる、押洗いです。

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たたんだまま洗濯ネットに入れて洗濯機に入れます。
30秒ほど脱水します。
手で握って絞るようにしても問題ありません。


・水を抜きます。

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・握るようにして軽く絞るのもOKです。

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洗面台(バケツ)の水を綺麗な水に変えます。

洗剤が落ちるまで押しながらすすぎをします。
このすすぎを3、4回繰り返し行います。

ぬるっとした洗剤の残りを感じるときには、すすぎの回数を増やして綺麗にします。



・きれいな水を溜め直します。

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・ストールについている洗剤を、すすいで流していきます。

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水を取り替え、最後に糊付けまたは柔軟剤で風合いを決めます。

ハリを出したい場合は糊を使います。
柔らかく仕上げたい場合には柔軟剤を使います。

ハリを弱くするために、糊を薄くしたり、
糊と柔軟剤を混ぜて使ったりすることもできます。
僕はハリが弱めのものが好きなのでこの方法をよく使っています。


・糊の例

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・柔軟剤の例

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・パリッとさせたいときには糊をつかいます。

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・柔らかく仕上げたいときには柔軟剤をつかいます。

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・きれいな水に注ぎ入れます。

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・しっかりと混ぜて溶かします。

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・染み渡るように、少しの時間つけておくのも効果的です。

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最後に脱水をします。
たたんだまま洗濯機で10〜30秒ほど行います。

綿はシワになりやすいので脱水を短めにするのがポイントです。
早く乾くようにと脱水を長めにしてしまうと、
そのときにできたシワが取れずに残ってしまいます。

短い時間で止めて、確認しながら何回かに分けて脱水するとうまくいきます。

枚数が少ない場合には、タオルドライもオススメです。


・タオルにくるみます。

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・押したり、丸めたりして、ストールの水分をタオルに移します。

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水が滴り落ちない程度の脱水にしておくと
干すときにシワを伸ばすようにピンと広げておくだけで
比較的きれいにシワがなくなります。


・水分を含んでいれば、手で両方に引っ張ってシワを伸ばすだけでかなり綺麗になります。

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湿気の多い時期や寒い季節は乾きにくくなって、
カビや臭いの原因になるので少し多めに脱水をしますが、
できるだけ短くすることがシワを作らないポイントになります。


干すときのコツとして、
ストールに合わせた干し方があります。

糸と糸の隙間が大きいものや、さらりとした肌触りのものは
滑りやすく、糸の自由度があります。

そのため、普通に干すと糸が寄ってしまう場合があります。

これを防ぐには、
バスタオルと一緒に干すこと、
「W」の形にして干すこと
が有効です。


タオルと一緒になっているため、糸が寄りづらくなります。
タオルも乾くので一石二鳥でもあります。

Wの形にすると、水を含んで重みがかかってしまう重力を減らせるので
糸が寄りづらくなります。


・このような干し台を準備します。
(物干し竿2本を使ったり、室内で椅子の背もたれを活用したりするのもOK)

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・タオルと重ねて干します。

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・Wの形になるように干します。

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■リネンの洗い方



リネンも水に濡れると強度が数倍上がるため、洗濯しやすい素材です。
フィブリル化による白化や色が抜けやすいのが特徴です。

使用洗剤:
弱アルカリ性の合成洗剤、石けんを使います。
※色落ちしやすいものは中性洗剤(オシャレ着洗い洗剤)を使います。


水温:
40度以下


洗い方:
洗濯機で洗うこともできます。
毛羽立ちやすい素材なので、洗濯ネットに入れて優しく洗います。
手洗いコースやドライコースを使います。
脱水も10秒程度に抑えて短めにします。

ビーズや刺繍のあるもの、色落ちが気になる物などは手洗いにします。

手洗いの場合、洗面台やバケツに水を入れ、洗剤を溶かします。
ストールを入れてつけ置き洗いで洗います。

・洗剤の力で汚れを落とすつけ置き洗いです。しばらく置いておきます。

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たたんだまま洗濯ネットに入れて洗濯機に入れます。
10秒ほど脱水します。

洗面台(バケツ)の水を綺麗な水に変えます。
洗剤が落ちるまで押しながらすすぎをします。
このすすぎを3、4回繰り返し行います。

ぬるっとした洗剤の残りを感じるときには、すすぎの回数を増やして綺麗にします。

水を取り替え、最後に糊付けまたは柔軟剤で風合いを決めます。

ハリを出したい場合は糊を使います。
柔らかく仕上げたい場合には柔軟剤を使います。

ハリを弱くするために、糊を薄くしたり、
糊と柔軟剤を混ぜて使ったりすることもできます。
リネンはシャリ感、ハリが心地良い素材なので、糊を多めにすることが多いです。
お好みによって糊だけにしたり、
分量を調整してみてください。

最後に脱水をします。
たたんだまま洗濯機で10秒ほど行います。

麻もシワになりやすいので脱水を短めにするのがポイントです。
早く乾くようにと脱水を長めにしてしまうと、
そのときにできたシワが取れずに残ってしまいます。

水が滴り落ちない程度に短めにしておくと
干すときにシワを伸ばすようにピンと広げておくだけで
比較的きれいにシワがなくなります。


詳しい干し方へ


暖かい時期に使うことが多い素材なので、
乾燥した晴れた日に洗濯をすることで
脱水も短めにできるようにするといいです。


※基本的な洗い方はコットン素材と同じです。
コットンの洗い方に写真がありますので参考にしてみてください。

コットンの洗い方へ




■シルクの洗い方



シルクは色落ちするものもあり、上品な風合いを保つことも難しいため洗濯しにくい素材です。

洗う場合には、基本的にはドライクリーニングにしますが、
「手洗い可」のものは以下のように洗います。

使用洗剤:
中性洗剤(オシャレ着洗い洗剤)を使います。
※弱アルカリ性の洗剤や石けんはシルクにダメージを与えてしまうので絶対に使ってはいけません!


水温:
30度以下


洗い方:
手洗いでおこないます。

洗面台やバケツに水を入れ、中性洗剤を溶かします。
ストールを入れて洗剤液に浸してから軽く振り洗いで洗います。


・前後に振るだけにし、ダメージを抑えます。

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たたんだまま洗濯ネットに入れて洗濯機に入れます。
15秒ほど脱水します。

洗面台(バケツ)の水を綺麗な水に変えます。
洗剤が落ちるまで押しながらすすぎをします。
このすすぎを2、3回繰り返し行います。

ぬるっとした洗剤の残りを感じるときには、すすぎの回数を増やして綺麗にします。

水を取り替え、最後に柔軟剤で風合いを決めます。

お好みによって分量を調整してみてください。

最後に脱水をします。
たたんだまま洗濯機で15秒ほど行います。

薄い生地のものや気になる場合は
乾燥したタオルでストールを包み、上から押して水分を取る
タオルドライもオススメです。

詳しい干し方へ



経験上、意外と洗えてしまうシルクですが、色落ちと使う洗剤は気をつけなければいけません。

ストールの下に白い布を置き、洗剤液をつけた白い布で上からトントンと叩きます。
目立たないところで試してください。

もし、白い布に色がつくようであれば色落ちしやすいものです。
色落ちしても良しとして洗うか、
ドライクリーニングに出すのが良いです。

手洗いしているときにも色落ちしていないか注意しながら洗います。


また、洗剤は絶対に間違えてはいけません。
アルカリ性の洗剤はタンパク質を分解してしまうので、大きなダメージになることもあります。

知人の話ですが、普段洗濯をしない友人が、
善かれと思い嫁のシルクのブラウスを洗濯機で洗ったそうです。

普段洗濯をしていないので洗剤のことも、分量もよくわからず、
かなり多めに入れてしまいました。

洗剤を多く使い、強いアルカリ性の液体でシルクのブラウスを洗った結果、
半分ほど溶けてしまったそうです。

通常の分量ではここまではなりませんし、
ブラウスが薄地であったことも要因だと思われます。

ですが、アルカリ性がシルク(タンパク質)にダメージを与えてしまうことは分かると思います。

必ず、中性洗剤(オシャレ着洗い洗剤)を使ってください。



※コットンの洗い方に写真がありますので参考にしてみてください。

コットンの洗い方へ




■ウールの洗い方



フェルトのように表面が硬くなったり縮んだりすることさえ注意すれば洗える素材です。

洗い方がポイントですので注意してください。

使用洗剤:
中性洗剤(オシャレ着洗い洗剤)を使います。
※弱アルカリ性の洗剤や石けんはウールにダメージを与えてしまうので絶対に使ってはいけません!


水温:
30度以下


洗い方:
手洗いでおこないます。

洗面台やバケツに水を入れ、中性洗剤を溶かします。
たたんだままストールを入れて洗剤液に浸してから押し洗い(押すように洗う)で洗います。
ウールが水に濡れた状態でこすったり、もんだりすると
ウールの表面が絡み合いフェルト化して硬くなったり縮んだりしてしまいます。
必ず、優しく押し洗いにします。

たたんだまま洗濯ネットに入れて洗濯機に入れます。
30秒ほど脱水します。

洗面台(バケツ)の水を綺麗な水に変えます。
洗剤が落ちるまで押しながらすすぎをします。
このすすぎを2、3回繰り返し行います。

ぬるっとした洗剤の残りを感じるときには、すすぎの回数を増やして綺麗にします。

水を取り替え、最後に柔軟剤で風合いを決めます。

お好みによって分量を調整してみてください。

最後に脱水をします。
たたんだまま洗濯機で30秒ほど行います。


ウールはシワになりにくいので、
脱水時間は神経質になる必要はありません。

脱水方法は注意点は、
他の衣類と一緒に脱水したり
たたまずにぐちゃぐちゃにして脱水したりすると
絡まり合って縮んでしまうことがあります。

たたんだまま、洗濯ネットに入れて
他のものとは混ぜずに脱水します。

また、シルクと同様で、
洗剤は絶対に間違えてはいけません。
アルカリ性の洗剤はタンパク質を分解してしまうので、大きなダメージになることもあります。

必ず、中性洗剤(オシャレ着洗い洗剤)を使ってください。



詳しい干し方へ


※コットンの洗い方に写真がありますので参考にしてみてください。

コットンの洗い方へ




参考文献:
洗濯・衣類のきほん 池田豊著
衣類の洗濯・収納・お手入れ便利帳 山崎勝著
マンガでわかる洗濯の裏技 中村祐一監修
幸せを呼ぶスマート洗濯 中村祐一著
おうちで簡単魔法の洗濯ワザ 正田祐介著



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